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vol.995

7月の漁況・市況と8月の見通し

まいわし

 まいわしは、まき網では道東沖、三沢沖、三陸沖〜房総半島沖及び山陰沖で漁獲された。道東沖では6月末に例年通りミール向けのまいわしまき網漁が始まり、1日あたり1千〜3千トン、7月中旬の多い日には12船団が操業し、4千トンを超える漁獲がみられた。三陸沖〜房総半島沖では、7月上旬に銚子で1日あたり1千トンを超える水揚げが2日間続いたものの、北上が進み、7月後半以降、犬吠埼沖の漁獲は低調となった。6月下旬以降は仙台湾での漁獲が本格化し、7月は石巻主体に1日あたり500トン前後の水揚げがあった。三陸では定置網での漁獲もあり、20〜30gの小羽主体であった。また、道東沖ではさけます流し網漁業の代替のまいわし棒受網漁が行われ、40〜60gの小中羽主体に100g前後のニタリが若干の混じりで水揚げされた。
 7月上中旬の主要港における水揚量(以下「7月上中旬の水揚量」という。)は7万1千トンで、前月から42%増加し、前年同月から23%増加した。価格は35円/kgで、前月の28%安、前年同月の7%高であった。
 消費地(東京)におけるまいわしの入荷先は、千葉主体に北海道・岩手・鳥取等からであった。7月上中旬の入荷量は前月から7%増加し、前年同月並みであった。価格は前月の27%高、前年同月の26%安であった。
 全国的に小型サイズ主体の漁獲で、鮮魚サイズが少ないことから、今後、東京への入荷量はやや減少し、卸売価格はやや強含みと見込まれます。

さば類

 さば類は、まき網では犬吠埼沖、三重沖、山陰沖、対馬沖・西沖(五島沖)・東シナ海中南部等で漁獲されたものの、各地低調な漁模様であった。東シナ海のまき網による漁獲は、まあじ主体にまさばのローソク(極小サイズ)混じりであった。伊豆諸島水域ではタモすくい網漁が引き続き行われ、ごまさばのみを漁獲した。一方、三陸では定置網による漁獲が見られ、250〜500gのまさば主体に250〜700gのごまさば混じりであった。
 7月上中旬の水揚量は4千300トンで、前月から8%減少し、前年同月の2倍であった。価格は110円/kgで、前月の12%高、前年同月並みであった。
 消費地(東京)におけるさばの入荷先は、千葉主体に岩手・宮城・石川・静岡等からであった。7月上中旬の入荷量は前月から13%減少し、前年同月から14%減少した。価格はの前月の28%高、前年同月並みであった。
 今後もまき網での漁獲は低調な状態が続くと予想され、東京への入荷量はやや減少し、卸売価格はやや強含みと見込まれます。

するめいか

 小型いか釣り漁船によるするめいか漁は、日本海側では北海道北〜山形〜新潟〜金沢〜山陰〜九州北部に広く漁場が形成され、主漁場は引き続き能登半島沖であった。7月に入ると、道北(羽幌・小樽管内・桧山管内)で水揚げが始まったものの、昨年の半分以下の漁獲量であった。一方、太平洋側では岩手北部〜青森沖で昼いか釣り漁が始まったものの、昨年の半分以下の漁獲量で低調であった。魚体は例年よりも成長が悪く、30尾入・バラ入の小型サイズ主体に20〜25尾入りの中・大型サイズが混じった。中型いか釣り船(船凍)による日本海のするめいか漁は、7月上旬に大和堆にようやく漁場が形成され、群れがまとまってきた。
 7月上中旬の生鮮するめいかの水揚量は、797トンで前月から9%減少し、前年同月から39%減少した。価格は710円/kgで、前月の15%高、前年同月の30%高であった。
 消費地(東京)におけるするめいかの入荷は、釣り物は石川主体に青森・新潟・石川等、活物は静岡から入荷がみられた。7月上中旬の生鮮するめいかの入荷量は前月から19%減少し、前年同月から半減した。価格は前月の8%高、前年同月の44%高であった。
 今後、東京への入荷量は横ばい、卸売価格は全般的に魚体が小さいものの漁獲が低調であることから、高値・横ばいと見込まれます。

まあじ

 まあじまき網漁は、犬吠埼沖、対馬沖・西沖(五島沖)・東シナ海中南部及び山陰沖等に漁場が形成された。7月に入ると長崎や松浦で水揚げが上向いたものの、各地低調であった。また、三陸では定置網に大型魚(300〜600g)の入網があった。
 7月上中旬の水揚量は3千200トンで、前月並み、前年同月から50%増加した。価格は248円/kgで、前月の19%高、前年同月並みであった。
 消費地(東京)におけるまあじの入荷先は、中アジは長崎主体に石川・和歌山・佐賀等、中小アジは長崎等、小・豆アジは三重・新潟・富山・和歌山等からであった。7月上中旬の入荷量は前月から13%減少し、前年同月から49%増加した。価格は前月の47%高、前年同月の16%安であった。
 今後、低調な水揚げが続くと予想され、東京への入荷量は横ばい、卸売価格は横ばいと見込まれます。

かつお

 かつお一本釣り船の主漁場は八丈島〜東北沖の黒潮続流の流路周辺に形成され、7月中旬には岩手沖(北緯40度)まで北上した。7月に入ると、びんなが主体からかつお(3〜4kg)主体の漁獲に切り替わった。1日1隻あたりの平均漁獲量は8〜28.5トンと船間差はあるものの好調で、気仙沼ではまき網も含めて1千トン以上水揚げがあった日が延べ2日間あった。漁場が沿岸寄りで近く、7月上中旬は新口(前日物)の割合が多かった。一方、かつお・まぐろまき網漁は、房総沖〜岩手沖で操業し、かつお主体にきはだ、きめじ、めばち混じりの漁獲が見られた。気仙沼主体にまとまった水揚げが続き、まき網によるかつお漁は7月も好調であった。
 7月上中旬の生鮮かつおの水揚量は9千400トンで、前月から31%増加し、前年同月の3.1倍であった。価格は178円/kgで、前月並み、前年同月の47%安であった。
 消費地(東京)におけるかつおの入荷は、宮城主体に千葉・三重・高知等からであった。入荷量は前月から6%減少し、前年同月から88%増加した。価格は前月並み、前年同月の45%安であった。
 今後、8月の一本釣りはお盆で休漁する船が増え、まき網はいわし・さば漁に切り替える船があることから、東京への入荷量は減少し、卸売価格は強含みと見込まれます。

   (水産情報部)
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