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vol.972

4月のマイワシ・さば類・マアジの漁況について

1. 太平洋側のマイワシについて

 4月は犬吠埼沖に漁場が形成された。1日1隻あたりの水揚量は137トンで、3月よりもまとまった。
〇銚子港: 4月の水揚量は3月を下回るとともに、前年を下回った(表1)。体長は15〜16cmモード(2歳)で20cm以上(3歳)も混じった。体重は30〜50g主体であったが、日によって80g以上も混じった(図1、2)。
〇石巻港: 4月の水揚量は3月をやや下回るものの、前年を上回った(表2)。体長は13.0〜13.5cm主体(1歳)で16cm(2歳)にもモードがあった(図3)。体重は18〜22g主体で30〜50gも混じった(図4)。

2. 日本海側のマイワシについて

〇境港: 4月の水揚量は3月を上回るとともに、前年を上回った(表3)。体長は16.5〜17.5cm主体(2歳)であった(図5)。体重は60〜70g主体であった(図6)。

3. 太平洋側のさば類について

〇銚子港: 4月の水揚量は3月を上回るとともに、前年を上回った(表3)。体長は16.5〜17.5cm主体(2歳)であった(図5)。体重は60〜70g主体であった(図6)。
〇奈屋浦港: 4月の水揚量は3月を上回るとともに、前年を上回った(表5)。中小〜小サイズが主体で3月に水揚げされた大サイズは見られなくなった。
〇北浦港: 4月の水揚量は3月を大きく下回るとともに、前年をも大きく下回った(表6)。体長(尾叉長)36〜38cm、体重480〜700gの3歳魚以上が主体であり(図7、8)。3歳以上が主体であり、産卵群と考えられる。

4. 日本海および東シナ海側のマサバについて

〇松浦港: 4月の水揚量は3月を大きく下回るとともに、前年を下回った(表7)。東シナ海中南部と九州西沖海域主体の操業であった。水揚物の体長は30cm前後、体重は280gと460g前後にモードがあった(図9、10)。

5. 日本海および東シナ海側のマアジについて

〇境港: 4月の水揚量は3月を下回るとともに、前年を大きく下回った(表8)。漁場は浜田沖〜隠岐海峡周辺で、大中型まき網だけではなく、中型まき網による水揚げもあった。タネ銘柄(尾叉長12cm前後)だけではなく、少し大型のカボ銘柄(15cm前後)も水揚げされたことにより、鮮魚向けの出荷もあり、価格が上がった。
〇松浦港: 4月の水揚量は3月を下回ったものの、前年を上回った(表9)。東シナ海中南部と九州西沖海域主体の操業であった。体長は25〜27cm主体(2歳)、体重は240〜280g主体であった(図11、12)。日によって体長18〜19cm(1歳)、体重80〜120gも混じった。

6. まとめ

 太平洋側のマイワシは、今期は犬吠埼沖に漁場が形成され、銚子港を中心に小名浜港や波崎港にも水揚げされた。北部まき網漁業による水揚物は体長15〜16cm前後、体重30〜40g前後の2歳魚が主体であった。日によって体重80g以上のサイズも水揚げされた。5月以降は産卵を終えた3歳魚以上の犬吠埼沖付近への来遊が増えると考えられ、体長20cm以上、体重80〜90gの割合が増えると見込まれる。北上を進める群もあることから、塩屋崎灯台から犬吠埼沖が漁場になると予想される。
 日本海側のマイワシについては、隠岐海峡周辺操業分の水揚げが好調だった。境港へのまき網による4月の水揚量は3月を上回った。体長16.5〜17.5cm主体(2歳)、体重60〜70g主体であったが、前年のような体長20cm以上は見られなかった。
 太平洋側のさば類については、北部まき網漁業ではほとんど水揚げがなく、銚子港水揚物のほとんどが中部海区(漁場は相模湾周辺)で操業したまき網漁業による水揚げであった。体重500g以上が15〜40%を占め、これらは産卵を終えた北上群であると考えられる。三重県奈屋浦港への中型まき網漁業による4月の水揚量は3月を上回った。小〜中小サイズ主体で大サイズはほとんど水揚げされなかった。宮崎県北浦港の4月の水揚量は3月を下回った。水揚物の体長は36〜38cm前後主体(3歳以上)、体重は480〜700gで産卵群と考えられる。
 東シナ海では九州西沖と東シナ海中南部海域を中心にマサバが漁獲された。マサバの水揚量は3月を下回るとともに、前年を下回った。水揚物の体長は30cm前後(1歳魚)、体重は280g(1歳魚)と460g前後(2歳魚以上)にモードがあった。
 日本海側のマアジは浜田沖では大中型まき網漁業、隠岐海峡では中型まき網漁業によって漁獲された。水揚量は3月を下回るとともに、前年を下回った。価格は3月を上回るとともに、前年を上回った。やや大型のカボ銘柄(15cm前後)も水揚げされたことにより、鮮魚向けの出荷もあり、価格がやや上がった。
 東シナ海では九州西沖海域と東シナ海中南部主体の操業であった。マアジの水揚量は3月を下回ったものの、前年を上回った。水揚物の体長は26cm前後主体(2歳魚)で体重は240〜280g主体であった。
 山陰まき網漁業では4月以降マサバとマアジの水揚量は減少傾向にあり、隠岐海峡周辺操業の中型まき網漁業によるマイワシ水揚量が増加している。遠洋まき網漁業の水揚物はマアジ主体が続いており、漁場は九州西沖海域と東シナ海中南部海域が主体であった。

   (水産情報部)
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