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vol.952

11月の近海カツオ竿釣り漁場とカツオ魚体と水揚状況について

近海竿釣り船の漁場と魚体組成

 本年の近海カツオ竿釣り船は11月15日で終漁となった。主漁場は東北沖38〜40°N、148〜150°Eで、10月下旬に東北沖で形成された小銘柄と特大銘柄の漁場が11月上旬も続いた(図1、図2a)。東北沖漁場を離れた竿釣り船は、銚子・常磐周辺海域と伊豆諸島周辺海域で操業し(図2a、b)、各所属県へ帰港した。
 11月の全船平均漁獲量は1.5トン/隻・日(延110隻)で、前年同月の5.7トン/隻・日(延109隻)を大きく下回った。平均漁獲量が昨年より少ない状況から、昨年の終漁期(11月21日)より早めに切り上げる判断をした船が多かったとみられる。
 気仙沼港に水揚げされたカツオの体重組成をみると、11月は1.6〜2kgが主体で、7kg台も多く漁獲された(図3c)。特大の漁獲が秋の終漁まで続いたことは近年では例がなく、極めて異例であった。

水揚状況について

 生鮮カツオ(釣り)の今年11月までの全国累積水揚量は、2015年以来最も少なく20,129トンで、過去5年の1〜11月の水揚量の平均値(31,370トン)の63%に留まった(図4)。11月の水揚量は827トンで、前月より減少したが、過去5年平均を上回った(図5a)。ただし、前年11月は水揚量が多かった年(1,084トン)であり、前年同月よりは水揚量は少なかった。 平均価格は389円/kgで、前月比139%と高くなったが、前年同期(454円/kg)より安かった。前年同期と魚体組成が異なり、今年は価格の良い中銘柄はほとんど水揚げされない状況が11月も続き、小と特大主体となったことが前年より安値となった理由と考えられる。11月は少し脂が乗っているという情報も入ったが、戻りガツオがほぼなかったため、竿釣りカツオの価格は平年並みまでは戻らなかった。
 生鮮カツオ(まき網)の11月の全国水揚量は12tのみとなり(図5b)、まき網船は漁獲対象をカツオからサバに切り替えた。平均価格は473円/kgで前月比157%に上昇したが、前年同期(613円/kg)より安かった。
 年明けまでは各船休漁し、2021年2月ごろに再び出漁する見通しだ。

   (水産情報部)
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