サケ減少
2020年11月末現在の宮城県水揚量は最低だった前年の66%に留まっている。
解説:サケ主産県の中で分布南限に近い宮城県と岩手県では、2019〜2020年に激減し壊滅的な状態に陥っている。
(写真1:2020/10/19石巻)
オキアミ激減
2020年は3月上旬に初水揚するも、短期で漁場消滅し過去最低の水揚に終わる。
解説:オキアミは親潮の最南端周辺に好漁場を形成することが多い。親潮は例年2〜4月に宮城県金華山沖まで南下するが、近年は岩手沖で留まることが多くなった。特に2020年には親潮が3月上旬に宮城沖まで南下し漁場形成したものの約1週間で親潮が北上し漁場が消滅した。
(写真2:2020/3/9女川)
コウナゴ水揚皆無
2019年石巻水揚量は2.5tと過去最低。2020年は水揚皆無。
解説:コウナゴはイカナゴのシラス稚魚。冷水性で15℃を上回ると砂底に潜り夏眠し、仙台湾では7〜10月は餌を食べないで休眠している。大阪湾、伊勢湾、仙台湾などが主漁場であるが、近年いずれの漁場でも壊滅状態に陥っている。仙台湾では成魚が2019年秋〜2020年春にかけて水揚げ皆無となったことから、夏季の海水温上昇により産卵親魚が激減した可能性がある。
(写真3:2019/4/22石巻)
スルメイカ水揚低迷
2020年に石巻では11月にイカ釣が久々に水揚するも、大量水揚げに至らなかった。
夏季の釣イカ水揚は皆無であった。
解説:スルメイカは全国的に減少傾向にある。宮城県では、2015年まで5〜6月の初夏に胴長2〜5cmの稚イカが沿岸に来遊し、8月以降、イカ釣船が仙台湾〜三陸沖でスルメイカを漁獲した。近年は太平洋を北上する稚イカが減少し、夏季のイカ釣は消滅した。近年は9月以降、青森・北海道から南下したスルメイカ(日本海産と推定される)を底曳網が漁獲している。
(写真4:2020/11/17石巻)
ブリ類(写真5:2020/10/3石巻 定置網)
2010年から増加、以後、高水準を持続。重要魚種。
2010年に日本海などで大発生した。それ以来、東北海域の漁獲量は高水準で推移している。
マアジ(写真6:2020/11/6石巻 定置網)
2015年から急増。仙台湾で産卵も確認。
サワラ(写真7:2020/2/5石巻、底曳網)
2013年以降、定置網と底曳網で重要な水揚魚になり、全国へ出荷している。
タチウオ(写真8:2020/8/27石巻 定置網)
2016年から急増、定置網と底曳網で重要な水揚魚になった。
ウルメイワシ(写真9:2020/6/17石巻 定置網)
2013年から増加、定置網でまとまった水揚が継続するようになった。
ヤリイカ(写真10: 2020/12/3石巻)
2013年から底曳網で急増、金華山沖などで漁獲好調。スルメイカ減少を補っている。残存するイカ釣船もヤリイカ主体に漁獲している。石巻の水揚量は全国屈指となっている。
マダコ(写真11:2020/11/6石巻 カゴ漁)
2013年以降増加し、今年も好調。
ガザミ(写真12:2020/8/3石巻 刺網)
2015年以降高水準の水揚。国内屈指の水揚量。
イセエビ(写真13:2020/9/17石巻 刺網)
普通に見られるようになった。
1)ウッカリカサゴ:写真14 2)カゴマトウダイ:写真15 3)テングダイ:写真16
4)オニテングハギ:写真17 5)ギンザメ:写真18 6)ツバメウオ:写真19