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vol.947

10月のスルメイカ漁況経過について

 JAFICおさかなひろば(以下、おさかなひろばという)による生鮮スルメイカの10月の水揚量(11月16日現在の集計、以下同様)は4,415トンで前月(4,628トン)よりやや減少し、5年平均(2015〜2019年)(4,900トン)を下回ったが、前年(2,740トン)を大きく上回った。 10月の平均価格は578円/kgで、前月(504円/kg)より高くなり、5年平均(475円/kg)を上回ったが、前年(827円/kg)を大きく下回った。1〜10月の累計水揚量は22,916トンで前年(18,766トン)を上回ったが、5年平均(25,074トン)を下回った(表1、図1)。
 冷凍スルメイカの10月の水揚量は730トンで前月(341トン)より増加し、前年(341トン)を上回ったが、5年平均(2,559トン)を大きく下回った。1〜10月の累計水揚量は3,187トンで前年(2,790トン)を上回ったが、5年平均(9,584トン)を大きく下回った(表2、図2)。  生鮮スルメイカの産地(JAFIC調査地)別の10月の水揚量は、宮古で底曳網主体に釣りと定置網により1,058トンに増加し、前年(106トン)を大きく上回った。八戸では、底曳網主体に釣り他が607トンに減少し、前年を下回った。石巻では、底曳網主体に587トンに減少したが、前年(217トン)を上回った。 他の主要産地の10月の水揚量は、釧路319トン、金沢252トン、松浦245トン、室蘭187トン、長崎157トン、花咲111トン、浦河101トン他であった。前月に続き三陸の底曳網の水揚げが目立った他、道東では花咲を除き各地で前年を大きく上回った。また、金沢では前月より増加し、10月としては2015年以降で最多となった(表3・5〜7、図3・4・7〜9)。
 生鮮スルメイカの産地別の1〜10月の累計水揚量は、金沢5,629トン、八戸4,183トン、宮古1,933トン、石巻1,739トン、北浦1,056トン、酒田759トン、三沢671トン、松浦637トン、新潟486トン、久慈455トン他で、八戸で前年を下回った他は、各地で前年を上回った(表4〜7、図5〜9)。
 生鮮スルメイカの今後の見通しとしては、三陸各地で底曳網の水揚げが続く他、三陸および道東での釣りによる水揚げの増加が期待される。また、日本海では、金沢の釣りによる水揚げの増加が期待される。  DMSP(人工衛星夜間可視画像)によると、沖合域では9月上旬はほとんど光が見えなかったが、9月中旬〜10月上旬に大和堆西沖〜北沖の暫定水域およびEEZ内で光が増加した。10月中旬は大和堆北沖のEEZ内に光が集中、急増した。10月下旬はEEZ内の光は減少したが、暫定水域の大和堆西沖や新隠岐堆付近で光が増加した(図10〜15)。
 9月中旬以降の光の増加は、船凍スルメイカ釣り漁船の操業隻数の増加によるものと思われ、10月の冷凍スルメイカの水揚量は増加した。10月以降は、太平洋アカイカ漁を切りあげた船凍船が日本海に回り、大和堆付近での操業船が更に増加、DMSPの光もEEZ内を主体に増加していることからら、冷凍スルメイカの水揚げは今後更に増加することが期待される。

   (水産情報部)
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