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vol.935

7月の産地市場における主要魚種の動向

 JAFICが調査している全国主要68港における7月の調査対象全魚種の水揚量は17万7千トンで、前年同期(15万トン)の118%であった。1〜7月の累計水揚量は110万3千トンで、前年同期(111万8千トン)並みであった。7月の平均価格は154円/kgで、前年同期(217円/kg)の71%であった。1〜7月の平均価格は186円/kgで、前年同期(216円/kg)の86%であった(表1)。  主要47魚種の7月の魚種別の累計水揚量と平均価格は表2のとおりである。水揚量は、マイワシ、さば類、冷凍メバチなど16魚種で前年同月を上回り、スケトウダラ、かれい類など4魚種は前年同月並み、カタクチイワシ、ウルメイワシ、生鮮スルメイカなど27魚種で前年同月を下回った。平均価格は、マアジ、ブリ、生鮮カツオなど12魚種で前年同月を上回り、冷凍カツオ、生鮮キハダなど9魚種は前年同月並み、マイワシ、さば類など26魚種で前年同月を下回った。  7月の水揚量と平均価格を前年同月と比較したものを図1に示した。4〜6月は、新型コロナウイルスの影響を受け、特に1,000円/kg以上の高価格魚で前年からの価格の下落が目立った。7月は、高価格魚のうち前年同月を下回ったのは7魚種で、そのうち水揚量が減少したにもかかわらず価格を下げたのはヒラメ(養殖)とイセエビの2魚種であった。  代表的な魚種の7月の動向は、次のとおりである。

@ マイワシ
 道東沖の好漁を受け、7月の水揚量は8万7千トンで、前月及び前年同月の2倍であった。1〜7月の累計水揚量は37万トンで、前年同期の1.35倍と好調であった。7月の平均価格は36円/kgで、前年同月の82%にとどまった。 A さば類
 2月と3月の水揚量は各5万トンで、三陸〜常磐沖で好調であったが、4月と5月は各2万トン、6月は1万3千トンと減少した。7月の水揚量は6千700トンで、前年同月の1.11倍であったものの、6月の5割程度に減少した。1〜7月の累計水揚量は19万トンで、1月の低調な水揚げが影響し、前年同期の74%であった。7月の平均価格は114円/kgで前年同月(128円/kg)をやや下回った。 B 冷凍メバチ
 7月の水揚量は2千トンで、前月の1.14倍、前年同月の1.22倍であった。1〜7月の累計水揚量は1万5千トンで、前年同期比1.1倍であった。7月の平均価格は653円/kgで、前年同月(778円/kg)の84%であった。コロナ禍による価格の落ち込みは、5月以降次第に回復しつつあるが、なお前年に比べてかなり低い水準が続いている。 C キンメダイ
 7月の水揚量は142トンで、前年同月並みであった。平均価格は1,542円/kg(前月比1.28倍)まで回復したものの、前年同月を下回った。 D イセエビ
 7月の水揚量は1.9トンで、前年同月の79%であった。平均価格は6,112円/kg(前月比1.21倍)で、前年同月をやや下回った。 E あわび類
 7月の水揚量は3.5トンで、前年同月の74%であった。平均価格は8,834円/kg(前月比1.57倍)で、前年同月並みであった。  7月は、不漁などにより平均価格が前年同月を上回った一般鮮魚(マアジ、生鮮カツオなど)があり、高価格魚では外食需要の回復により価格を持ち直した魚種(アカムツ、あまだい類、あわび類など)がみられた。一方、前年同月を下回る価格で推移した魚種(キンメダイ、イセエビなど)もみられた。

   (水産情報部)
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