トピックス

トピックス一覧
最近の水産の話題はこれ! 随時更新
vol.927

7月の近海カツオ竿釣り漁場とカツオ魚体と水揚状況について

近海竿釣り船の漁場

 7月の近海カツオ竿釣りの主漁場は、前月より北上して主に房総・常磐沖(黒潮続流域とその南方)から東北沖(混合域)であった。また伊豆諸島近海や熊野灘にも漁場が形成された(図1)。 6月まで盛況だったビンナガ主体の漁場は見られなくなり、7月上旬は房総沖の黒潮続流域とその南方海域でカツオ大を中心に漁獲した(図2上段)。7月中旬は房総沖の同海域での操業も見られたが、7月17日までの週計で房総沖漁場の平均漁獲量は3.1トン/隻・日と低調だった。中旬は前年と比較すると漁場が各海域に広がり、伊豆諸島近海・熊野灘ではカツオ大・特大を中心に漁獲、金華山沖ではカツオ極小をわずかに漁獲(図2中段)、本州南方海域ではキハダ・メバチなどを漁獲した。 7月中旬以降は、一時漁獲量が低迷しその後やや増加したものの、週計の平均漁獲量は2.4〜3.3トン/隻・日で前年(3.9〜9.9トン/隻・日)より不漁が続いた。下旬は常磐沖から東北沖の海面水温20〜24℃の海域に漁場が北上し、カツオ大・中主体の漁獲となった。

カツオの魚体と水揚状況について

 生鮮カツオ(釣り)の1〜7月の全国水揚量は、2015年以来最も少なく、9,505トンで、過去5年の1〜7月の平均水揚量(19,881トン)の50%程度となった。月別の水揚量では、7月は前月(2,652トン)よりやや増加し3,308トンだったが、過去5年同月平均の55%程度だった(図3)。価格については、6月は前年同月、過去5年同月平均価格よりも安く350円/kgだったが、7月は323円/kg(前年同月比1.5倍)で6月より価格は下がったものの、同月の過去5年で最も高かった(図3)。銘柄別の価格が前年同期よりやや高かったこと、今年はカツオの魚体が大きいことが、平均価格が上がった要因とみられる。
 生鮮カツオ(まき網)の月別全国水揚量は、釣りと同様に7月まで過去5年平均(13,730トン)を大幅に下回り、7,390トンであった。7月の価格は148円/kg(前年同月比95%)で同月の過去5年で最も安く、水揚量が少ないだけでなく、価格も低い状況が続いている。
 気仙沼港に水揚げされたカツオの魚体組成をみると、例年出現頻度の多い中小・中(体重1.8〜3kg)は少ないが、今年は小(1.3〜1.8kg)と特大(4kg)以上が多く漁獲されており、これまでにない魚体組成となった(図4)。

   (水産情報部)
  • ◇トピックス 全文◇
  • このページのトップへ