〇根室市花咲港: さけます代替棒受網漁業の漁場は、花咲南20〜30マイルで漁場水温は10℃前後であった。6月の水揚量は5月を上回ったものの、前年を下回った(前年比59%)(表1)。体長は18cm前後主体で20cm前後も見られた(図1)。体重は70〜80g主体で100g以上も見られた(図2)。前年よりも水揚量が少ないにもかかわらず、価格が安かった。
〇釧路港: 道東まき網は6月25日から開始し(前年と同日)、6月25〜30日で2925トン水揚し、1網当たり平均76トンであった。出漁統数は前年よりも多く、水揚量は前年を上回ったが、1操業当たり平均は前年を下回った(前年漁獲量2,485トン、1網当たり207トン)。漁場は釧路沖で漁場水温は12.9〜16.4℃であった。
〇石巻港: 6月の水揚量は5月を上回るとともに、前年を上回った(前年比160%)(表2)。まき網漁場が金華山沖に形成された。魚体は体長15cm、体重45gモードのものであり、道東沖よりも小さかった。(図3、4)。
〇銚子港: 6月の水揚量は5月を下回るとともに、前年を下回る(前年比55%)(表3)。漁場は銚子沖〜鹿島沖に形成された。漁場水温は17〜20℃であった。体長は15.5cm、体重は45gモードのものであった(図5、6)。金華山沖と同程度のサイズだが、さらに小さいサイズも混じった。
〇境港: 6月の水揚量は5月を下回り、前年を上回った(前年比2.69倍)(表4)。漁場は隠岐海峡周辺、浜田港沖であった。4、5月に引き続き好調で、マイワシに加えてカタクチイワシも好調であった。魚体については、6月上旬は体長20cm前後、体重100g前後が主体であったが(図7、8)、中下旬は体長10cm前後、体重10g前後が主体となった(図9、10)。単価は5月を下回った。
〇石巻港: 6月の水揚量は5月を下回り、前年を上回った(前年比111%)(表5)。まき網での水揚はなく、定置網と底曳網での水揚が主体だった。体長(尾叉長)は22cm前後主体で5月に水揚げされていた30cm以上のサイズは少なくなった(図11)。
〇銚子港: 6月の水揚量は5月を下回ったものの、前年を上回った(前年比5.24倍)(表6)。銚子沖で一艘まき網、二艘まき網が水揚げした。石巻同様に30cm以上の個体が少なくなり、体長は27cm以上主体で体重は220gモードのものであった(図12、13)。
○松浦港:6月のマサバの水揚量は5月を下回り、前年を上回った(前年比4.58倍)(表9)。5月は東シナ海南部主体の操業であったが、6月は対馬海域北部主体の操業で東シナ南部でも操業がみられた。マサバの体長は30cm前後モードで、体重は360gモードであり、前年に見られた34cm前後や20cm前後のサイズは見られなかった。単価は5月、6月ともに昨年より安かった。
太平洋側のマイワシは花咲沖操業のさけます代替棒受網漁業では体長20cm以上の3歳魚が見られ、金華山沖、銚子沖のまき網では14〜17cmの1、2歳魚が見られた。これらのことから、3歳魚は道東沖まで北上し、2歳魚はいまだ北上中であると考えられる。
太平洋側のさば類は東北海域における定置網や底曳網、銚子沖の一艘まき網、二艘まき網で水揚があった。5月下旬に見られた体長30cm以上のサイズではなく、22〜25cm前後が主体となり、ゴマサバが混じった。道東沖ではいまだみられていないため、今後漁場が形成されることを期待したい。
中西部日本海においては、5月から引き続きマイワシとカタクチイワシの漁獲が好調に推移している。マアジも水揚げされたが、前年を下回っていた。
対馬海域を中心にマサバ、マアジが漁獲され、マサバ、マアジともに水揚量は前年を上回った。