・2017年秋に始まった黒潮大蛇行は、今期も期間を通して継続した。図1〜3に示すように、黒潮はおおむね30〜31°Nで 蛇行して伊豆諸島西沖を北上する経路をとったが、2月中旬は図2に示すように一時的にコ字型の経路をとった。 海面水温は、黒潮が蛇行する潮岬沖において低めとなったが、平年よりおおむね高めで推移し、特に遠州灘〜熊野灘沿岸には 黒潮系暖水の反流が接岸したため平年より2℃以上高かった。
・おおむね37°N付近まで北上して緩やかに蛇行する経路をとった。海面水温は35〜37°N付近にかけて平年より高めで推移し、 特に145°E付近では2〜3月にかけて続流の北上により4℃以上高めであった。
・親潮の沿岸分枝の南限は、気象庁の下層水温等によるとおおむね41〜42°N付近にあり、親潮の面積は平年より小さめで推移した。 1月は三陸沿岸に津軽暖流系の暖水が広がっていたが、3月にかけて縮小していった。沖合では1月は145°E付近で黒潮続流域からの 暖水が北上していたが、北上暖水は徐々に東進して3月は143°E付近に達した。
・東シナ海では、海面水温は1〜3月におおむね平年よりやや高めで、黄海側ほど高めの傾向であったが、
琉球列島周辺は平年よりやや低い状態であった。
・日本海では、気象庁の資料によると期間を通して寒気の影響が弱く、平年より風も弱かったため北海道以北を除いて平年より高めで推移した。
本州沿岸はおおむね平年より0~1℃高く、特に朝鮮半島北部沿岸~大和堆北部では平年より5℃以上高い海域が現れるなど高めの傾向が強かった。
・オホーツク海では、1~3月は流氷に覆われている海域が多かったが、流氷の少ない千島列島側ではおおむね平年よりやや低めで推移した。
・黒潮海域では、黒潮の現在最南下緯度が30°N以南に達していて大蛇行が続く見込み。
・親潮海域では、北海道南東沖の海面水温は平年より高めの見込み。
・日本海では、対馬暖流域の海面水温は高めの見込み。