三陸主要各港における4月のマイワシ漁獲量は3,259トンで前年の1.8倍であった。石巻でのマイワシの4月の漁獲量は3,259トンで前年同期(904トン)の約3.6倍であった(表1)。常磐・鹿島主要各港におけるマイワシ漁獲量は44,737トンで前年同期(30,106トン)の約1.5倍であった(表2)。
金華山に近い網地島沖で今年4月上旬に定置網により水揚げされたマイワシの体長組成は12〜15cm(1歳魚、2018年級群)が主体で、前年同期の17〜20cm(2歳魚、2016年級群)とは異なった(図1)。常磐沖で今年4月下旬にまき網により水揚げされたマイワシの体長組成は18〜21cm(3歳魚、2016年級群)が主体、前年同期も18〜21cm(3歳魚、2015年級群)が主体であった(図2)。また、今年は12〜17cm(1〜2歳魚)も見られた。
前年4月上旬は東北沖の定置網において1歳魚ではなく、2歳魚が主体であったが、今年は2017年同様漁獲の主体は1歳魚であった。今年は4月下旬から常磐沖において20cm以上のマイワシが漁獲され始め、2018年よりも3歳魚の北上はやや遅かった。
常磐沿岸〜三陸北部沿岸は前年よりも3〜4℃低く、その沖合には2〜4℃高い海域が見られた。平年と比較すると、常磐沿岸は2〜3℃低かった。前年よりも親潮が強かったためと考えられる。
3月同様、漁獲量は三陸海域、常磐・鹿島海域ともに前年を上回った。3月から引き続き、大船渡、気仙沼、女川では水温の低下により、漁獲が見られなくなった。4月下旬から常磐沖で3歳魚の北上傾向が確認できた。前年よりも常磐沖の水温が低かったため、前年よりもマイワシの北上が遅くなったと考えられる。