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vol.880

2019年3月 銚子駐在所報告

1.一艘まき網の漁況について


 2月末はサバ漁が低調であり、イワシ漁が主体で行われていたが、3月はサバを一網20〜100トン漁獲する船やイワシを一網40〜280トン漁獲する船があり、サバイワシ混じりの漁況であった。3月初旬は二艘まきがサバ主体の漁獲となったこともあり、一艘まきもサバが期待されたが、時化が続いた。中旬はイワシを一網20〜340トンの漁獲があり、臨時休漁が3回行われた。下旬は船体整備のためドック入りする船もあったが、16〜17ヶ統がイワシを一網30〜390トン漁獲した。銚子港では3000〜5000トンの水揚が続き、臨時休漁が3回行われた。
漁獲量が多く、魚価が安価となったため、一艘まき、二艘まきともに1回操業となった。

2.二艘まき網の漁況について


 上旬はサバ・イワシ混じりの漁獲であった。犬吠埼南沖ではサバ群を発見し、一網72〜146トンの漁獲があった。中旬の前半は犬吠埼南沖でサバを一網30〜200トンの漁獲。後半はサバ群が発見されず、イワシを一網20〜200トンの漁獲。下旬は犬吠埼南沖〜東沖でイワシを一網30〜170トンの漁獲。犬吠沖のイワシ群は大群で広範囲に分布しており、サバ群も良好であった。

3.サバについて

上旬は一艘まきで一網20〜100トン、二艘まきで72〜147トンの漁獲があった。中旬は二艘まきが一網30〜210トンの漁獲となった。サバの魚群が千葉県海面が中心であった。魚体は180〜750g、200〜300g中心、400g以上が1〜10%混じり、200g台が60〜70%の魚体組成であった。魚価は50〜125円、平均101.2〜105.3円で推移していた。
中部海区で漁獲されたサバが銚子港に運ばれ、1日1〜5隻で計23隻水揚があった。魚体は180g〜1.1Kg、300g中心及び350g前後中心、400g以上が5〜30%であった。魚価は66〜130円、平均68〜112円で推移していました。

4.イワシについて

 上旬は一艘まきが川尻沖で一網40〜280トン、一の島北沖で一網20〜185トン漁獲されたが、その後時化が続いた。中旬は一艘まきが茨城海面で一網50〜280トン、二艘まきが犬吠埼東沖で一網20〜200トン漁獲した。下旬は一艘まきが高萩沖〜犬吠埼南西沖で一網30〜390トン、二艘まきが一の島南沖〜犬吠埼南西沖で一網50〜200トン漁獲があった。魚体は30〜150g、40〜60g中心で、70g以上は5〜25%、50〜80g中心で100g以上5〜30%の魚体組成であった。漁場は大津〜大洗、鹿島〜一の島、一の島〜犬吠沖と3か所に形成された。北側海域よりも南側海域で100g以上の個体が見られた。主にマイワシは輸出の缶詰原料、延縄漁の餌、国内の加工原料に活用されていた。

5.底曳船の漁況について

 底曳船は鹿島沖でヤリイカ漁が主体で操業した。では鯛、スズキ中心の操業であった。ヤリイカ漁の上旬〜中旬は一の島北〜東沖にかけて、各船とも20〜90本(タル)の順調な漁獲であったが、下旬は10〜50本(タル)の漁獲量であり、低調に推移し、船団差も大きくなった。ヤリイカの魚体は大半が小であり、大、中が少なかった。ヤリイカ(大)の魚価は上旬〜中旬は平均1506〜1792円であったが、下旬は漁模様が低調であったため、2019〜2996円と高価であった。

6.曳縄船について

 地元船はサワラ漁中心に外川沖で操業し、1〜10尾の漁獲で極低調な漁模様であった。また、房総沖でカツオ・ビンナガ込み150〜400Kgの漁獲もあった。鹿島船は上旬に蛸漁を終え、底曳漁をおこない、鯛を150〜380Kg漁獲した。ヒラメ、ホウボウも漁獲された。

7.サヨリについて

 大洗、久慈で操業し、30〜160Kg平均60Kg以上の漁獲量で安定した漁模様であった。下旬から20〜40Kgで低調に推移した。魚体は60〜80g中心で100g以上は少なかった。(文中魚価の単位は円/Kgです。)



   (JAFIC銚子駐在所、文責漁海況部)    
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