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vol.877

日本さかな検定(ととけん)受検のススメ

1.ととけんとは?


 検定ばやり、といわれています。「ご当地検定」なんて各地で実施されていますね。ネットで簡単に受検ができる無料の検定も 多かったりしますが、今回ご紹介するのは、このコラムをご購読されている方にぴったりの「日本さかな検定」(通称:ととけん)です。
 一般社団法人日本さかな検定協会が、日本初の一般向けの魚の検定として2010年から毎年開催しているもので、今年でちょうど10回目。
わたしは8回目で2級を初受検、9回目で1級を取得しました。最初に受検したきっかけは、業界某紙の記者さんに「1級取りましたよ」と自慢されたこと。 それまで存在は知っていましたが、じゃあわたしもためしにちょっとやってみようかという興味本位でした。
 検定は3級から1級まで難易度の違う3種類の試験があります。3級と2級は誰でも受検できますが、1級は2級に合格しないと受けられない仕組みです。 試験は年1回ですから、1級合格のためには2年越しの勉強が必要です。一方3級は漢字にルビがふってあるレベルですので、 このコラムをご覧になっている方なら、2級からの受検ですね。資料によると、2級は「魚好きにして通を自認する一般の方や漁業・流通・調理に 携わる方で、もっと魚食文化の奥深さを身につけたい方を対象とした中級レベル」(マークシート四者択一方式100問中70問以上の正答で合格)、 1級は「魚と日本の魚食文化に関する広範囲の知識の頂点を目指す方を対象にした上級レベル」(同100問中80問以上の正答で合格、ただし、 70問以上は準1級に認定)です。第9回の1級では、390名受検して35名合格、合格率は9%でした。けっこう難しいのです。

2.傾向と対策


 出題傾向は2級でも1級でもほとんど変わらず、ひと言で言えばかなりマニアックな内容で、日本各地の魚と漁業、魚食文化が出題されます。 全漁連も協力していますので、漁師イチオシの魚「プライドフィッシュ」についても毎年出題されていますね。水産団体に勤務するわたしでも、 普通に仕事をしているだけでは知り得ない分野の問題が多い印象です。
 ちょっと2級の模擬問題をのぞいてみましょう。「700種あまりの魚介類が生育する東京湾には、四季折々に魚介が揚がり私たちを楽しませてくれます。 江戸前の春を象徴する魚介のうち、誤りを選びなさい。」選択肢は、「サヨリ」「トリガイ」「マゴチ」「マダイ」。まずあわて者が引っかかりそうなのが、 「誤り」を選ばせている点。これに注意した上で、選択肢をながめて、すべて東京湾で捕れる魚介の中から「春でないもの」を選びます。 釣りをやる方ならスグわかると思いますが、「マゴチ」は夏が旬ですね。明らかに違う、外洋性や寒い海の魚が選択肢に含まれているわけではないので悩みますね。こんな感じです。
 さて、その勉強方法ですが、ととけんの公式ガイドブック2種類と、毎年発売される「ととけん副読本」を勉強すればたぶん受かります。 「副読本」には、模擬問題もありますのでこれらが解けると自信が付きます。模擬問題と似た問題もたくさん出題されます。参考書の値段が高い、とおっしゃるむきには、 公式ガイドブックは図書館で借りて買わずにすませるという方法も。「副読本」は、読み物としてもおもしろいと割り切って、買うしかないですね。

3.思い立ったが吉日

 さあ、受検したくなったでしょうか?ただし、残念ながら合格しても築地場外で安く買い物ができる、とかの特典があるわけではありません。 でも、水産業界にいるひとなら、少なからず興味のある分野からの出題ですので、取り組みやすい検定だと思います。また、魚食文化の出題が中心なので、 見慣れた魚の知らない呼び方、食習慣、旬の話題など、試験勉強というより、興味を深める感じで進められ、国産の魚のおいしさを再発見できる試験だと思います。 2級受験料は5,200円、1級は7,300円(5名集まれば10%オフ)、これを高いとみるか安いとみるか…。  さて、今年の検定試験は東京、大阪、石巻、鹿児島など全国7ヶ所で6月23日(日)に一斉に開催されます。申し込みは5月20日まで。〆切は近い!  (細窪迅)
 ⇒「ととけん」のHPへ

  

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