1月の北部太平洋におけるマイワシ水揚量は、前年の約1.4倍であった。
久慈から石巻港における三陸海域(主要7港)での水揚量は3,786トン、前年同期(5,117トン)の74%で推移(表1)。一方、小名浜から銚子における常盤海域(主要4港)での水揚量は12,119トン、前年同期(6,074トン)の2倍で推移し全体を引き上げた(表2)。
金華山の定置網によって水揚げされたマイワシ(1月下旬)の体長組成は、12〜14cm(1歳魚、2018年級群)が主体で、16〜17cm(2歳魚2017年級群)も若干みられたが、この前年同期をみると、図1のように体長組成は13〜14cm(1歳魚、2017年級群)が主体とほぼ同様の結果であった。
また、日立沖のまき網によって水揚されたマイワシ(1月上旬)の体長組成は18〜21cm(3歳魚、2016年級群)が主体であり、前年同期でも18〜21cm(3歳魚、2015年級群)が主体と同様であった(図2)。
つまり、両海域とも水揚物の体長組成は前年同期と大きな違いは見られなかった。これにより、常磐沖の水揚量が前年同期よりも多かったのは、資源量の回復を反映したものと考えられる。
三陸北部沿岸は平年よりも2〜3℃低く、三陸南部〜常磐沿岸は1〜2℃高かった。12月から引き続き、東北沖からの魚群の南下を促す海況であったと考えられる。(図3)
1〜2歳魚のマイワシは産卵期に入るため、さらに南下すると考えられる。東北沖にいた魚群はさらに南下するため、東北沖での漁獲量は減少する。常磐沖では1〜2歳魚が中心に漁獲されると考えられる。