12月のマイワシ漁業は全般的に振るわなかった。
八戸から石巻における主要8港のマイワシの12月の水揚量は4,116トンで前年同期(6,542トン)の63%であった(表1)。小名浜から銚子における主要4港のマイワシの水揚量は818トンで前年同期(3,995トン)のわずか20%であった(表2)。一方、同海域のマサバ漁獲量の前年比は133%であり、取引単価についてもマイワシよりマサバの方が高かったことから、マサバに漁獲が集中したためと考えられる。
金華山沖(定置)で2018年12月中旬に水揚されたマイワシの体長組成は13〜15cm(0歳魚、2018年級群)が主体であった。前年同期水揚の体長組成は13〜15cm(0歳魚、2017年級群)が主体で、16〜18cm(1歳魚、2016年級群)も漁獲された(図1)。
また、水戸沖(まき網)で2018年12月下旬漁獲されたマイワシの体長組成は18〜21cm(2歳魚、2016年級群)が主体であった。前年同期水揚の体長組成は17〜19cm(1歳魚、2016年級群)が主体であった(図2)。
ゆえに、金華山沖、水戸沖ともに水揚物の体長組成は前年と違いが見られ、2018年12月下旬には水戸沖まき網において2歳魚も漁獲されていることから、前年に比べて2歳魚の南下がやや早かったと考えられる。
三陸北部は前年よりも3〜4℃低く、三陸南部〜常磐〜銚子にかけて2〜3℃高かった。
11月下旬までは前年に比べて南下が遅かったが、12月中旬から水温が下がり、
魚群の南下を促したと考えられる(図3)。
1歳魚がさらに南下し、三陸沖では0歳魚主体で漁獲されると考えられる。常磐沖では2月ごろまでは12月に引き続き、1〜2歳魚主体で漁獲される。