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vol.865
2018年9月における北部太平洋のマイワシ漁獲状況
1.マイワシ漁獲状況概要
(1)道東海域
2018年9月の道東沖における主要5港のマイワシ水揚量(大中型まき網、小型棒受網、たもすくい網による)50,990トンであり、前年同期(50,783トン)並であった。浜中と広尾が前年を上回り、他の港では前年並〜下回る水揚量であった(表1)。9月27日の表面水温分布図を見ると、釧路沖から浜中沖に14〜15℃の水帯が広がっており、漁場になっていた。漁場水温は8月から1〜2℃昇温した。
(2)三陸常磐海域
八戸から石巻における主要8港のマイワシの9月の水揚量は13,063トンで前年同期(7,497トン)の1.7倍であった(表2)。小名浜から銚子における主要4港のマイワシの水揚量は3,585トンで前年同期(1,000トン)の3.6倍であった(表3)。(なお八戸港水揚分には道東沖からの搬入物を含む。)
2.マイワシの体長組成
(1)道東海域
釧路沖で今年9月にまき網によって漁獲され、釧路港に水揚されたマイワシの体長組成は18〜20cm(2歳魚)が主体であり、20cm以上の3歳魚も混じって漁獲された。前年同期でも18〜20cm(2歳魚)が主体であり、16〜17cm(1歳魚)も漁獲された(図1)。
(2)三陸海域
石巻沖で今年9月に定置網によって水揚されたマイワシの体長組成は11〜14cm(0歳魚)が主体で、15〜17cm(1歳魚)も漁獲された。前年同期では12〜14cm(0歳魚)が主体であった(図2)。9月29日の表面水温分布図によると、金華山沖に暖水塊が分布し、宮古沖まで21〜22℃の水帯が分布しており、8月下旬から1〜2℃水温が上昇している。
八戸港を除いた三陸沖における水揚量は前年並(前年1,352トン、今年1,399トン)であった。
(3)常磐海域
常磐海域で今年9月にまき網で漁獲されたマイワシの体長組成は前年と同様11〜13cm(0歳魚)が主体で、今年漁獲されたものは前年に漁獲された0歳魚に比べて1〜2cm大きかった(図3)。
水揚量は8月同様に0歳魚の資源量の多さを反映し、前年に比べて多くなったと考えられる。
3.今後の予測
9月の各港の水揚状況から、資源の加入は順調であると考えられる。今後、道東沖では9月にまき網で漁獲された2〜3歳魚が10月中旬〜下旬にかけて引き続き主体となると考えられる。また、三陸海域においては道東から南下する2〜3歳魚が中心に漁獲され、常磐海域では引き続き0〜1歳魚が漁獲されると考えられる。
(漁海況部)
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