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vol.858

2018年6月の北部太平洋におけるさば類の漁獲状況

  北部太平洋さば類 0歳魚 好調!

1.さば類漁獲状況概要


 2018年6月の北部太平洋の主要港(八戸〜銚子の9か所)におけるさば類の水揚量は9,450トンであり、前年(5,957トン)の1.6倍であった(表1)。特に石巻と銚子の水揚量が大幅に増加し、石巻では前年の1.5倍、銚子では22.9倍であった。北部太平洋の主要港で2013年から2018年までの6月のさば類水揚量を比較すると、2018年は2015年に次いで二番目に多かった(図1)。特に石巻での水揚げが多く、過去6年間で一番多い水揚量であった。




2.北部太平洋における水揚量と魚体について


 北部太平洋における水揚量は前年6月を大幅に上回っていた。2018年6月に水揚されたさば類はゴマサバの混獲が考えられるが、三陸沖、銚子沖共に6〜8割がマサバであると考えられる。6月下旬の銚子におけるさば類の水揚物の主体は13〜16cm(0歳)であったのに比べて、前年のマサバの水揚物の主体は29cm〜32cm(3歳)であった(図2)。また、石巻におけるさば類の水揚物の主体は12〜16cm(0歳)であったのに比べて、前年のマサバの水揚物の主体は30〜34cm(3歳)であった(図3)。このように今年は昨年よりも0歳魚の水揚が多く、このことが石巻と銚子の水揚量が前年よりも多かった一因であると考えられる。仙台湾沖の沖合底曳網でも12〜16cm(0歳)が漁獲されていた。沿岸で0歳魚が多く水揚されていることから、今年は新規加入が多いと考えられる。また、2018年6月25日に金華山沖定置網で水揚されたマサバの体長組成の主体は32〜40cm(3歳)であり、0歳魚だけでなく、2〜3歳魚もある程度漁場に存在していることがわかった(図4)。




             (漁海況部 藤井椋子)

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