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vol.853

銚子駐在員報告(平成30年3月)

概要

(1)一艘まき網
例年2〜3月はドック入りする船が多いが、今年はサバIQ(個別割当)を考慮して3月下旬〜4月に入って整備する船が多かった。 今月は銚子近海では19統が中羽イワシ、サバ漁を行った。
 上〜中旬(1〜12日)は時化多く、13,15の2日間に一の島東沖と鹿島沖で操業、サバを1網5〜280t、中羽イワシを5〜270t漁獲。13日はサバ2,485t、中羽イワシ2,371t漁獲し、臨時休漁が実施された。15日はサバ641t、中羽イワシ2,680tの漁獲となった。
 15日のサバ群は薄群で大半が1網50t以下となり、その後は時化が続いた。26,27,28日に一の島ENE12海里〜N15海里でサバを1網5〜100t漁獲し、26日2,280t、27日490t、28日5tに急減し、昨年から続いた好漁が3月に入り低調となった。中羽イワシは20〜360t、26日113t、27日1,376t、28日4,158tの増加傾向を示した。

(2)二艘まき網
 2月は中羽イワシ漁を行ったが小中羽が網掛かりして揚網が困難になったこともあり、3月にはサバ中心の漁獲となり、下旬には再び中羽イワシと、ハモノ漁を行う船もあった。時化の中、7日間のみの操業となった。
 上旬は時化多く、3日に一の島NE13海里で1〜3回操業してサバを1網0〜115t漁獲。その後時化が続き、中旬(13,15日)には一の島ENE〜NE20〜18海里でサバを1網300s〜65t漁獲。14日には一の島NNE20海里で中羽イワシを1網50〜90t漁獲した。サバ群は投網中や環中に沈下して皆無となる船が多くあった。15日には1統が犬吠埼SE沖でカスゴ、サワラ混じりを1網3t漁獲した。その後も時化が続き、下旬の26,27日には犬吠埼SSW13海里でカスゴ、イナダ混じりを1網600s〜1t漁獲した。28日は一の島NE15海里で中羽イワシ漁場が形成され、1〜2回操業して1網50〜155t漁獲となったが、入網量が多く破網する船も多くあった。

サバ(漁況・魚体・価格)

 3月のサバ水揚げは12日間あったが、地元の一・二艘まき網は5日間で8〜25隻、295〜2,557t、中部海域は9日間で1〜7隻、130〜1,560t水揚げとなった。魚体は南寄りより北寄りが、沖合寄りより沿岸寄りで魚体が小さかった。

@上〜中旬
 一・二艘まき網は一の島N23海里〜NE24海里〜E21海里 15.3〜16.1℃で操業した。一艘まき網で1網5〜280tだが15日は薄群となり大半が1網50t以下となった。二艘まき網は1網300s〜115tであったが、群が沈下して網が届かず皆無の船も多くみられ、船間差の大きい漁獲となった。
 魚体は80g〜1s、250〜350g中心で400s以上2〜5%と、150〜250g中心で300g以上5%がみられた。魚価は96〜48円/s、平均77.3〜87.6円/sで推移した。
A下旬
 一の島ENE12海里〜NE15海里 14.8〜15.1℃で1網5〜110t、大半が50t以下の漁獲となった。
 魚体は150〜450g、180〜280g中心と、150〜250g中心で300g以上10〜20%だが、100g台の岸壁サバが25〜35%の船もあった。魚価は89〜50円/s、平均78.4〜68.3円/sで推移。
B中部海域
 上〜中旬で200g〜1s、280〜360g中心で400g以上10〜15%と300〜400g中心で500g以上5〜30%がみられた。魚価は103〜55円/s、平均72.7〜88.7円/sで推移した。
 下旬は200〜790g、250〜350g中心で400g以上5〜20%で、魚価は79〜52.1円/s、平均74.5〜63.2円/sであった。

中羽イワシ(漁況・魚体・価格)

@漁況
 サバIQの関係や、サバ群が薄くなったこともあり、中羽イワシ漁を行う船が多くなった。中羽イワシは引き続いて大群で好漁が続いた。
 12日まで時化で、13日に一艘まき網が一の島NE15〜27海里〜E16海里 14.3〜15.1℃で1網15〜360t、大半が100〜200t以上の漁獲となった。13日は2,371t、15日2,686t、26日113t、27日1,376t、28日4,158t漁獲。
 二艘まき網は一の島NNE20〜NE15海里で1網50〜155t漁獲。入網量が多く、破網する船もみられた。14日7統で950t、28日7統で840t漁獲。
A魚体・魚価
 一・二艘まき網とも30〜140g、70〜90g中心で100g以上2〜10%と、50〜60g中心で100g以上2〜15%。魚価は70〜22.5円/s、平均45.7〜53.8円/sで推移した。28日は一・二艘まき網38隻で4,783tと漁獲がまとまり、魚体は100g以上20%のニタリ・中羽イワシであったので鮮度落ちもあり、魚価は27〜10円/s、平均18.3円/sと異常な安値となった。中羽は泥喰いで卵持ちのうえ肉質も悪く、国内での加工向けではなく、輸出の缶詰用として活用された。
B中部海域
 19日に1隻が121t水揚げした。魚体は50〜130g、60〜80g中心で100g以上10%、魚価は46〜36.9円/s、平均39.1円/sであった。

ハモノ(イナダ・カスゴ、サワラ等)

@漁況
 二艘まき網がサバ、中羽イワシ漁を行う中、15日に1統が犬吠埼SEで春サワラ混じりを1網3t漁獲。26日には犬吠埼SSW13海里でカスゴ、イナダ、サワラの混じりを1網600s〜8t漁獲。22日は犬吠埼SSW13海里でカスゴ、イナダ混じりを1網2〜15t漁獲した。
A魚体・魚価
 カスゴ、マダイ混じりの魚体は150g〜1.5s、400〜800g中心で1s以上10〜15%と、150〜350g中心で500g以上10〜20%で、イナダは600g〜1s、700〜800g中心であった。カスゴの魚価は360〜95円/s、平均177〜235円/sであった。
 
            (JAFIC銚子駐在所所長 鈴木榮一)

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