(1)一艘まき網 12月に入ってもさば類、中羽イワシは好漁が続き1日6,000t超えの水揚げもあって、7回の臨時休漁が実施された。また、全般に時化多く7日間のみの出漁。一部の船はイナダ漁を行った。 (2)二艘まき網 12月に入っても魚群(イナダ、マアジ、中羽イワシ、マサバ)は少ないうえに薄い。全体ではイナダ60t、中羽イワシ90t、マサバ180tの漁獲で、船間差が大きく近年にない極めて低調な漁模様となった。
(1)漁況(主に一艘まき網)
群が大群のため1網200t以上の好漁で推移し、1日6,000t超の水揚げもあった。一部の船では破網もみられた。
水揚げは当初は銚子〜八戸まで分散したが、漁場の南下に伴い銚子〜気仙沼となった。銚子では10日間で1日560〜6,300tの水揚げとなった。
@上〜中旬
1日は金華山南〜富岡沖で1網40〜590t漁獲。その後富岡〜四倉沖に南下して1網20〜500tの安定した漁場が形成された。
A下旬
24日は更に南下して塩屋埼〜汲上沖(一の島N25海里)水温16.6℃で1網10〜426t漁獲。一部中羽イワシの混じりもみられた。
(2)魚体・魚価
一艘まき網の魚体は150g〜1.2s、350g前後中心で400g以上10〜40%だが、200〜300g中心もみられるようになった。漁場の南側で大型魚が漁獲されることが多かったが、漁場北側でも大型魚が漁獲された。
二艘まき網の魚体(マアジ混じり)は、110〜380g、200g大半や、ゴマサバ(ウルメ混じり)は100〜350gで200g大半もあった。21日汲上沖のマサバは180〜720g、350g前後中心で400g以上15%。魚価は93.9〜90.9円/sであった。
(1)漁況(主に一艘まき網) マサバ中心の漁獲で、魚価も中羽イワシがマサバより安値となったため、操業船は1〜4統と少ない。銚子での中羽イワシは6日間で1日1〜18隻、平均2〜5隻の水揚げであった。 @上旬 1日は金華山〜富岡沖で3統操業、1網140〜280t漁獲。 A中〜下旬 16,19,21日は塩屋埼沖で1網20〜290t(一部マサバ混じり)漁獲。 (2)魚体・魚価 40〜140g、60〜80g中心で100g以上5〜10%程度。21日は小中羽イワシ70t漁獲し、40〜110g、50〜60g中心で90g以上若干であった。二艘まき網は汲上沖(一の島N22海里)で1網7〜90t漁獲し、魚体は40〜95g、50〜60g中心、90g以上若干であった。 魚価は、100〜15円/s、平均59.4〜22.5円/sで推移した。21日の二艘まき網は52〜42円/sであった。
(1)一艘まき網 さば類、中羽イワシに併せてイナダも南下しており、3日間に1〜4統が金華山沖〜原釜・請戸沖〜久ノ浜沖で操業、22日には1統が一の島E7海里の操業となり、全般に1網2〜65t漁獲。 銚子港での水揚げは5日に128tがあり、魚体は4〜7.5s、4〜5s中心で6s以上10〜20%で、魚価は295〜250円/s、平均268.2円/sであった。 22日には3隻が出漁して1〜35t水揚げ。魚体は4〜8s、5〜6s中心で7s以上7〜10%と、600g〜2s、1s前後中心で1.5s以上10〜20%があり、魚価は5〜6s中心で216〜260円/s、1s前後中心で161〜135円/sであった。 (2)二艘まき網 13,24日に一の島N17〜22海里で操業したが群数が少なく薄群れが多いため30〜60t、1網では10t以下も多く船間差の大きい低調な漁況で推移した。 魚体は13日に4〜10s、4〜5s中心で6.5s以上20%、魚価は781〜730円/s、平均755.9円/sであった。24日は600g〜4s、1s前後中心で1.5s以上10〜20%、魚価は150〜76円/s、平均126.1円/sであった。
7,8日に1〜2隻の水揚げがあった。漁場は犬吠埼ESE6〜SE8海里で、2統が操業、1網200s〜5t漁獲。 魚体は120〜650g、150〜190g中心で200g以上10〜20%と、250g前後中心で450g以上10〜20%であった。 魚価は7日が400円/s、8日335〜150円/s、平均221.5円/s。
二艘まき網は4日に一の島ENE7海里で操業、1網2〜14t漁獲。16日は犬吠埼7海里で4統が2〜6t漁獲。 魚体は130〜250g、180g中心で200g以上5〜20%、サバ20〜30%混じりで、魚価は198〜64.7円/s、平均88.4〜187.7円/s。 5日は一艘まき網1統が一の島NE7海里で1網2t漁獲。魚体は130〜240g、180g中心で200g以上10%、魚価は180円/sであった。
11月は茨城県沖で近年になく長く漁獲が続いたが、さば類、中羽イワシ群の南下に伴いサンマ群が減少したうえ薄くなり、各船再び北上して原釜〜金華山での操業となった。1晩1隻2〜30t、大半が15t以下の低調な漁獲。魚体は145〜30gで100g以下のジャミも多く、大-0割、中-0割、小-10割〜0-1-9となり、魚価も安値を示した。 銚子のサンマ水揚げは、2,5,9,16日で、魚価は日毎に85.8円/sから40円/sまで下がった。 (JAFIC銚子駐在所所長 鈴木榮一)