千葉県銚子漁港駐在のJAFIC調査員による1月のトピックスをお知らせします。
(1)一艘まき網
2月に入っても、サバ群は昨年から引き続いて大群を維持した。鹿島海域では凪よく7日間出漁、ジャミサバを1網50〜420t、大半が100t以上の漁獲となり、1日5,000t以上の総漁獲量となったため、臨時休漁(7回)が実施された。1月より開始されたIQ(個別割当)方式は、月末には達成する船がでている。また2月よりドックに入る船があった。
サバは好漁が持続したが、下旬には小中羽イワシ漁を行う船が現れた。これは、中羽イワシの魚価がサバより高値であったこと、IQを考慮して中羽イワシ漁に転換した船があったことが考えられる。
(2)二艘まき網
当初イナダ漁を行い、5日からはサバ漁とハモノ漁に分かれての操業となった。ハノモ漁は根や魚礁付近の浅瀬での操業のため、ハモノ網に切り替えた船は好漁となった。その後大半がサバ漁に戻ったが、1統はハモノ漁を続けカスゴ、アジ、イナダ混じりを1日20〜80t漁獲した。
サバ漁は、一艘まき網と同じ漁場で操業、1網20〜25t漁獲。大群のため破網する船もでた。18日には、一艘まき網と水揚げが競合し、魚価安や水揚げ時間の遅れを懸念して、全船ハモノ網に切り替えて、イナダ、カスゴを漁獲した。20日にタチウオ、カスゴを漁獲した後はカスゴ、イナダ群の発見ができず、全船再びサバ、中羽イワシ漁に戻った。
二艘まき網は、臨時休漁がなかったことや、凪を選んでの出漁であったため、14日間の操業日数となった。
(1)一艘まき網
大型船が石巻、小名浜から出漁して南下調査したが、大津〜大洗ではサバ、中羽イワシ群を発見できず、鹿島海域(一の島N17〜NNE12〜ENE12海里、水温9.5〜11.0℃)での漁場形成となった。サバは大群であったため1網50〜420t漁獲。入網量が多いため、破網や積みきれない船もあった。
(2)二艘まき網
5日犬吠埼E14海里で操業、サバ群はサメ回しのため沈下したり網が食いちぎられたりしたため、鹿島海域の操業に切り替え、ジャミサバを1網50〜250t漁獲となった。
(3)魚体
魚体は140〜870g、150〜250g中心で300gUP1〜30%。9日の水揚げでは一部の船が300〜500g10〜15%、500gUP5〜10%を水揚げした。一の島漁場では北側より東側で300gUPのサバが多くみられた。 2月中のサバの魚体は150〜250g主体であったが、上旬より下旬の方が200g以下の魚体が多くみられた。
(4)魚価
魚価は72.5〜25.0円/?、平均47.7〜43.2円/?で推移した。
(1)概要
中部海域で漁獲されたニタリ、中羽イワシは3〜19日までに9日間で1〜5隻/日水揚げとなった。
魚体は50〜175g、大半が100gUP60〜95%であったが、55〜65g中心の中羽イワシもあった。
魚価は、140〜40円/?、平均111.9〜44.1円/?で推移した。44.1円/?の安値は55〜65g中心で鮮度落ちが要因であった。
ニタリ、中羽イワシは卵持ちであったが肉質が良かったので、スーパー卸、鮮魚出荷、加工原料として高値で買い付けられていた。
(2)漁況の推移
地元船は23日、一の島E17海里、水温11.5℃で中羽イワシを1網180t漁獲。魚体は50〜110g、50〜65g中心、魚価は62〜50円/?、平均54.3円/?であった。
24日は一艘まき網が臨時休漁となり、二艘まき網が一の島E11海里でニタリ、中羽イワシ(75〜135g)20t漁獲し、275〜250円/?、また、小中羽(23g)3t水揚げし、鮮度良く佃煮用として93円/?と高値で取引された。
26日は一・二艘まき網が一の島ENE11〜NE17海里で1網15〜120t漁獲。魚体は45〜120g、50〜65g中心、魚価は57〜32円/?、平均42.8円/?であった。27日には二艘まき網が中羽イワシを11隻が水揚げし、魚体は45〜120g、45〜65g中心で、魚価は65〜41円/?、平均52.8円/?であった。
一の島東側の水温15℃海域では、上層に中羽イワシ群、下層ではサバ群が広範囲に発見されていたが、両者の混じりでは魚価安となること、小中羽イワシが目掛りすることがあるため、ここでの操業はなかった。
1〜12日までは犬吠埼SSW20〜S14海里、水温15℃でイナダ、カスゴ、アジ混じりを1網150?〜30t漁獲した。イナダは500g〜2.5?、700g〜1.2?中心、1.5?UP10〜20%、カスゴは200g〜1?、250〜500 g中心であった。
1,3,5,6日までは犬吠埼SSW20〜S14海里、水深50〜60mでサバ網によりイナダ、カスゴ、タチウオを1網150?〜15t漁獲。6日以降は大半がサバ漁に切り替えたが、1統のみハモノ網に切り替えて犬吠埼S12〜SW13海里、水深35〜45mでカスゴ、タチウオを1網20〜50t漁獲。
18日のサバ漁獲後、二艘まき網全船が浜ハモノ網に切り替えて、犬吠埼S12海里でカスゴ、イナダを2〜25t漁獲した。
イナダの魚体は500g〜2.5?、700g〜1.2?中心で1.5?UP10〜15%で、魚価は380〜251円/?、平均278〜372円/?であったが、19日は576.9〜534円/?、平均550.4円/?と高値であった。
カスゴ、アジ混じりは市場で選別しての水揚げとなった。200g〜1?、250〜500g中心、500gUP20〜30%で、魚価は533〜185円/?、平均510〜233円/?であった。イナダ、カスゴの魚価は各地の市場の入荷量や市況で大きく変動していた。タチウオの魚体は700g〜1.7?、魚価は1,569〜901円/?、平均1,882〜1,303円/?で推移した。タチウオも仲買人に人気が高く高値であったが、2日間の水揚げで終わった。
(銚子駐在所所長 鈴木榮一)