千葉県銚子漁港駐在のJAFIC調査員による毎月のトピックスをお知らせします。
12月の一艘まき網は三陸海域(綾里埼~金華山沖)と常磐海域(鹿島~日立沖)の2ヶ所の漁場形成となり、
サバ、中羽イワシ、イナダを漁獲した。
上旬では、三陸海域が操業主体で、常磐海域では水温等の海況変化でサバの好漁が安定せず中羽イワシを漁獲した。
中旬以降は、常磐海域が主体に漁場形成され、サバ漁が行われた。いずれの海域でもサバ群は大群で、1網100~400tとなったため、破網する船も1日3~5統みられた。
1日の漁獲量は3,000~6,000t超えが多く、サバ、イワシの臨時休漁が実施された。臨時休漁は、海域ごとに実施されたため、福島県・宮城県以北では2回、福島県・茨城県以南では5回、
全海域で2回となった。臨時休漁が実施されると各船ともイナダ漁に切り替えて操業した。下旬には、時化が多くなり年末もあって24日以降は操業船が減少した。
12月は臨時休漁が実施されたが、イナダ漁を行ったこと、休漁実施後の翌日水揚げもあり、銚子港での一艘まき網の水揚げは20日間となった。また、
12日に新潟寄り陸送されたサバの水揚げも1日あった。
サバ漁が大漁であったことから、分散水揚げで三陸各港から銚子、波崎と大津、小名浜に水揚げしたが、
銚子、石巻が主要水揚港となった。
一方、二艘まき網は、時化多く鹿島海域(一の島N/W17海里~E17海里)と千葉県海域(犬吠埼E6海里~S/W17海里)で操業し、
イナダ、アジ、サバを漁獲した。イナダ、アジ群は薄群で群数も少なく、漁況は低調に推移した。イナダ、アジの発見ができない中、21日に一の島E17海里でジャミサバ大群での操業があり、
1網300t以上入網したが、鮫に網を食いちぎられ10~140tの漁獲に終わった。全般に群数が少ないことから、銚子港の水揚げは12日間となった。
三陸海域も常磐海域もサバ群は近年にない大群で。投網すれば入網量多く、これにより船体が危険に陥ること、漁網がパンクすることもあった。
三陸海域(金華山)では、上旬に漁場形成があり、中旬以降は常磐海域から鹿島海域(一の島E17海里~NE/N14海里)の2か所での漁場形成となった。
千葉県海面の犬吠埼E16海里では19日に2~3統のみ操業した。
16日に一の島NE/N13海里でサバの大群を発見した船があり、大津、日立沖でサバ狙いの船が一斉に南下し、1網80~400tの漁獲となった。魚体は160~980g、200~300gが中心で、
300gUP5~20%の構成が大半、一部、300~500g10~40%、500gUP5~40%の大中サバもみられた。
大中サバは深層に生息しているため、各船とも大中サバ狙いの操業をしたが、サバ大群のためか大半がジャミサバの漁獲に終わった。
サバの価格は、30~148円/?、平均82.7~50.3円/?。大中サバ不足を受け、400~500gUPが30~40%混じりでは148~90円/?程度と高値で推移した。
大中サバが出現すれば三陸各港での魚価は高値となったが、ジャミサバは三陸各港より銚子・波崎港の方が10~20円/?程度高めであった。
12/1大津沖でサバを1網130~300t漁獲したが、水温上昇等の海況変化により、サバがみられなくなった。久慈沖で中羽イワシ群を発見し4統で1網40~240t漁獲した。
その後常磐沖~鹿島沖で漁獲されるようになった。銚子港では、12/2に2隻353t、10日2隻496t、19日2隻356t、24日1隻216t、26日2隻249t、27日5隻143t、28日6隻570t水揚げがあった。
漁場は久慈沖E15海里で水温18.3℃~磯崎沖E17海里で水温15.4℃にて、1網40~240t漁獲となった。19日以降は一の島E1/2N12海里~NNW25海里で1網10~200t漁獲。
魚体は大半が小羽イワシで25~140g、平均30g程度、90gUP10~15%混じりもみられた。
魚価は、100~37円/?で推移し、平均80.2~40.3円/?であった。魚体が小中羽イワシのため、網掛かりするため、操業船は少なかった。
二艘まき網も網掛かりを避け、操業はなかった。
一・二艘まき網がイナダ・ワラサを漁獲し、銚子港では12日間の水揚げとなった。
一艘まき網は一の島N1/2W26海里~N/E12海里で1網1~100tの漁獲。金華山漁獲のイナダも銚子に水揚げされた。
21,26日はサバ・イワシの臨時休漁となり、イナダ1~5tと低調な漁獲となった。
二艘まき網は一の島N/W26海里、犬吠埼E5海里~S/W1/2W17海里に漁場形成があったが、イナダの移動が速く漁場が連日変動した。
群が薄群で群数が少なく、1網200?~70tの漁獲となり、大半が10t以下の低調な漁獲となった。
魚体は、3~9?が大半で4~5?中心、5?UP10~30%から、700g~4.5?、1?中心の2?UP20%であった。魚価は、4~5?中心物で585~300円/?、1?前後中心で200~110円/?で推移した。
10日に二艘まき網が8隻49t水揚げし、アジにサバが10~20%混じりで、魚体は120~225g、150gUP70~80%は、166~30円/?、平均104.7円/?、
19日は2隻で20t、アオアジ中心のマアジ、ゴマサバ混じりのため、魚価は45~25円/?、平均35.4円/?となった。
大根海域から犬吠埼W~SE~Sで群はほとんどみられなかった。
(銚子駐在所所長 鈴木榮一)