道東のサンマ漁は、例年通り、7月10日に流し網により始まったものの、沿岸を北上する群れが極めて少なく低調な漁で始まった。
水揚げがほとんどない日にはキロ8千円以上まで高騰した。引き続き、7月中には10トン未満の棒受網漁も始まったが、一昨年以来この時期の道東沿岸のサンマの漁獲は低調なことから、
これを補うため、資源が増加傾向にあるマイワシの試験操業が、道の許可によりタモすくい網と棒受網で行われ、釧路・厚岸・花咲に水揚げされ、大羽・中羽混じりであった。釧路でみてみると、
マイワシの漁獲は棒受網では61トンでキロ256円、タモすくい網では411トンでキロ270円であった。一方、サンマは4トンと少なくキロ3075円であった。
なお、今年も公海域で5〜6月に開発センターによるサンマの試験操業が行われ、例年通り2千トン近い漁獲があった。今年からの試みとして6月を
中心にロシア船への洋上転載(輸出)が行われた。この時期の公海のサンマは痩せている為、国内では主にミール向けとしていた。ロシアでは80g近くの小さいサイズまで缶詰原料とすることから、
輸出による単価アップが期待される。
8月に入ると全サンマ所属の20トン未満小型船が10日に、100トン未満中型船が15日に、100トン以上大型船が20日に解禁になった。8月中旬までは花咲から
一昼夜以上かかるロシア水域内に漁場が形成され、大型船が出漁した8月下旬以降は、漁場が西寄りに移り、花咲から半日程度の場所に漁場が移った。昨年の魚体は漁期を通じて160g以上の大型・特大魚
主体に偏重し、100〜130gの缶詰・加工向けサイズが極端に少なかった。一方、今年は140gの中型サイズに70gのジャミが主体で、150g台が15%、160g以上が5%程度しかなく、昨年とは様相が異なる。
数量的には8月中に2千トン台の日が1日間、1千トン台の日が2日間あり、8月の主要港合計で9450トンと2012年以来の水準であった。今年は量的にはあるものの、大型魚の割合が少ないことから価格は下げている。
道東のまき網漁は8月18日にマイワシの初漁があり、多い日には釧路を中心に1千トン以上の水揚げがあり、累計で5千トンを超えている。
現在、13〜14ヶ統が操業しており、70g台の中羽が大半で大羽が少ないことから、大半がミール向けで一部鮮魚向けとなっている。月末には1ヶ統がサバを30数トン漁獲したことから、
サバ漁ももうじき本格化すると思われる。昨年は期待された卓越年級の2013年級の成長が悪く、ジャミ・小型魚主体の漁獲に終始し、漁期終盤に大型魚が出たものの量が少なかったことから
浜値が高騰した。今年は好漁を期待したい。