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vol.819

カツオ漁は好調に経過(5/12)

特大魚主体に好調な漁獲

 今年の中型船によるカツオ竿釣り漁は、例年より早く出漁し、千葉県の勝浦では1月13日に初水揚げがあった。ちなみに2014年の初水揚げは2月2日、 13年は1月28日、12年は1月23日、11年は1月31日と、今年は近年では最も早い。今期の中型竿釣り船の初期漁場は例年通り、小笠原諸島南部(北緯21〜22度)に形成され、6kg以上の特々大魚 主体の漁獲が4月中旬まで続いた。今年の特徴として、10kg以上の大型のものが多く、大きいものでは14kg級も漁獲されている。今年の勝浦の生鮮カツオ(竿釣り)の4月までの累計水揚量は 6,860トンで、2010年以降最も量が多く、不漁であった昨年の1,941トンの3.5倍、2010〜2014年の5年平均の2,359トンの2.9倍であった。カツオは量販店では四つ割りしてトレーにのせて販売するが、 特々大魚はマグロの柵のようにさらに半分(1/8尾)に切らないとトレーにのらないことから、販売しづらく値段が出なかった。しかし、今年はこのサイズは色目も良く、脂ももっており、 身質が安定していることから好評化され、量販店での販売も好調なことから、水揚量が多い割には浜値も総じてよかった。

現在は1.5〜2.5kg級が主体の漁獲

 中型竿釣り船の漁場経過は、昨年同様長期に渡り小笠原諸島に漁場が形成され、4月中旬になるとようやく小笠原諸島から伊豆諸島南部(青ヶ島)に北上が進み、 2.0kg級の小、1.5kg級の小々が加入し始めた。4月下旬には八丈島南に漁場がさらに北上し、2.5kg級の中小〜1.5kg級の小々が大半となり、6kg以上の特々大魚の割合は低下した。5月上旬には房総半島沖にも 漁場が形成され、昨年のこの時期は伊豆諸島に漁場の先端があったことから、昨年よりも北上は早いようである。5日毎の水揚げ量は500トン程度であったが、5月上旬後半(6〜10日)は1千200トンと水揚げ量が 2倍となり、ようやくいわゆる初ガツオのまとまった来遊がみられた。漁場も房総半島近海に形成されていることから、新口の水揚も増え、一航海1〜2日操業の船が多く、一航海20トン程度を水揚している。

まき網も本格化

 カツオまき網漁は4月中旬に太平洋中部水域でスタートし、沼津では4月19日に初水揚があり、5月11日現在で累計漁獲量187トンを水揚し、 勝浦では4月26日に初水揚げがあり累計で188トンを水揚した。今月に入ると銚子は5月2日に14トンを初水揚げし、11日現在で累計362トンを水揚した。気仙沼と石巻には5月11日に83トン・8トンを 初水揚げした。まき網の漁場も竿釣りと同様に伊豆諸島北部海域〜房総半島近海に形成されており、一部漁場が競合している。なお、気仙沼では13日に竿釣り船もカツオ20トンを初水揚げし、 三陸各港の水揚げも例年より前倒しになっている。

今後の漁模様は・・・

今後は、房総半島東方の黒潮続流域での操業が7月まで続き、竿釣りより先にまき網漁場が北寄りに形成される。竿釣りの一部は例年通り、 ビンナガ漁を7月前半まで行うと思われ、しばらく漁獲の主体が竿釣りからまき網に移ると思われる。なお、ビンナガの浜値は缶詰用の輸出が好調なことから310円/kgと昨年より1割高くスタートしている。 ビンナガ竿釣り漁は漁況予報は、 延縄の3歳魚(竿釣りの4歳魚)の来遊資源は近年では最も高いとされ、カツオ同様に好漁が期待される。

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