台風19号が通過した、先週以降まとまった漁獲がみられないことから、
昨日22日に10隻が今期の操業を切り上げ、気仙沼から地元に帰った。昨年は戻りガツオが少なく例年より早い10月末には大半が切り上げ、
11月上旬に数隻が残り全船切り上げた。今年は昨年よりもさらに戻りガツオが少ないことから残る約40隻も今後の漁模様しだいで随時切り上げる見込み。
今年の生鮮のカツオ漁は、一本釣りとまき網で明暗が分かれた。竿釣りとまき網の合計では平年の漁獲量の 98%と概ね平年並み。特に6〜7月のまき網の漁獲が好調で9月末までの累計漁獲量は19,156トンで平年の34%増。 一方、一本釣りは17,081トンと平年の26%減と、まき網の漁獲が一本釣りの漁獲を上回っている(通常は一本釣りが6割程度を占める)。
竿釣り漁はマスコミ報道のとおり、初漁期〜4月まで不漁(例年と異なり長期に小笠原諸島南部に漁場が形成され、6kg以上の特々大主体の漁獲)が続き、ようやく 5月上旬に房総沖で一時期まとまった漁がみられた。その後、例年通り一本釣りの大半は房総半島沖のビンナガ漁に切り替えた。 ビンナガ漁は7月末に終漁し、8月にカツオ漁に切り換えるも低調で、9月に入って一時的に好転の兆しがみられた。
千葉県以北の一本釣りによる生鮮カツオの9月末までの累計漁獲量は例年の74%・昨年の61%に留め、竿釣り漁は総じて低調な漁模様が続いている。
今年の三陸沖のカツオ竿釣り漁は、9月後半以降、例年と異なる2kg以下の魚の漁獲が大半を占めた。5〜6月に2kg以下の魚が北上して三陸沖の漁場に入るが、
餌を食べて3〜4kgの魚になって秋口に戻りガツオとして産卵のために南下する。しかし、今年の9月以降、漁獲の主体となる3〜4kgの魚が少なく、
群れによっては2kg以下の魚が大半を占めるなど、例年と異なる魚体組成だった。10月下旬の主漁場は北緯40度・東経153度の沖合域で全船が操業しているが、
1日1隻4トンの漁獲が最高で、残る船は0.5トンからオカズ程度の漁獲と1トンにも満たない低調な漁模様。現在の沖合域のカツオの魚体は2〜3kgで平均2.5kgと10月前半の魚体よりは
やや大きいようだ。
10月上旬は1日1隻7トン前後の漁獲がみられたが、上述のように台風19号が通過した後は 群れが散ってしまったようで、終盤を向かえ気仙沼港の水揚げが大幅に減っている。21日は竿釣り3隻が入港したが、 それぞれ1航海で51kg、65kg、673kgの水揚げに終わり、水揚金額も3万円が2隻(単価は1kg当たり500円台)、57万円1隻(1kg当たり800円台)と苦戦している。 22日は竿釣り5隻が入港し、それぞれ1航海で557kg、390kg、5.5トン、4.5トン、3.1トンの計14トンの水揚げ。