北海道のアキサケ漁は、解禁が例年より遅かったものの、9月11日以降、昨年を上回る好調な水揚げが続いていた。
しかし、盛漁期となる9月下旬に水揚げが思うほど伸びず、10月7日以降では累計水揚量で昨年を下回った。
10月9日現在の累計漁獲量は75,535トンで、昨年の78,383トンと比べて96.4%と、昨年より2,848トン・3.6%少ない。
水揚げを旬別に見ると例年9月下旬に盛漁期を迎えるが、平成24年のように10月上旬にずれ込む年もある。
9月下旬における21〜25年の5ヶ年平均の水揚量は30,514トンで、9月中旬の12,568トンから一気に水揚げが増える。
その後、10月上旬27,714トン、10月中旬21,565トン、10月下旬21,565トン、11月上旬13,033トンと徐々に減らし、11月末で終漁となる。
今年9月下旬が26,653トンで、5ヶ年平均の30,514トンより約4千トン少なく、25年同期の31,581トンより、約5千トン少なかった。
日別に水揚げをみると今季最高は9月22日の6,084トンで、3千トン台が3日、4千トン台が1日、5千トン台が1日あった。
昨年は10月9日までに3千トン台が8日、4千トン台が1日、5千トン台が2日、6千トン台が0日であった。なお、水揚げが急増するのは月曜日で、
日曜に水揚げをするところが少なく、2日分を水揚げするからである。
平均体重は漁期始めが大きく(5歳以上の高齢魚が多い)、徐々に小型魚(4歳魚・3歳魚等の若歳魚)が増えることから小さくなる。
今年の雌は3.4kgでスタートし、10月上旬は3.1kg台まで1割下がっている。平成24年・25年よりサイズは大きく、概ね22年並みのサイズであった。
一方雄は3.7〜3.8kgでスタートし、10月上旬は3.3kg台とこちらも1割下がっている。平成24年より500〜600g大きく、25年より200g大きく、概ね22年並みのサイズであった。
道漁連の支店(=海域)別では、水揚げの主体である北見支店(オホーツク海)が10月9日現在累計30,550トン(道内全体の40.4%)で、昨年同期の35,967トン(45.9%)
から5千トン以上減らした。次いで多い根室支店(落石〜羅臼)も今年の15,705トン(20.8%)から昨年の16,387トン(20.9%)と700トン減らした。一方、釧路支店(広尾〜浜中)は
今年10,220トン(13.5%)で、昨年の9,983トン(12.7%)と若干増加。他の支店も数百トンから数千トンと量自体は少ないものの昨年より若干増加。
北海道全体の水揚げ量は平成15年の20万6千トンをピークに減少傾向にあり、平成24年には10万トンを割る9万9千トンまで減少している。
14〜25年の平均は14万6千トンで、22年以降はこの数字を下回る年が多い。10月8日までの累計水揚げ量は、漁期全体の6割を占めることから、
昨年漁期累計の12万1千トンを下回る可能性も出てきた。当初、好漁とみられていたが暗雲が指してきたこともあり、指標となる標津の相場をみると
雄雌とも昨年より1割高(雌Bで805〜705円、雄Aで320〜300円)、大津では雌は50円高、雄は100円高となっている。