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vol.809

冷凍スルメイカ低調な水揚げ(9/12)

平均の半分の水揚げ

 中型船による冷凍スルメイカの函館・八戸・小木の5〜8月の累計水揚量は4,195トンで対前年の73%、過去5年平均の52%と低調な出足でした。 漁港別でみると能登半島の小木は、久々に能登半島西方の大和堆で長期に漁場形成されたことから7月を中心に水揚げが伸び、累計水揚量は2,618トンで対前年の2.1倍、 過去5年平均の2.6倍と好調でした。一方、函館は上述の通り主漁場の北上が遅れ、累計水揚量は1,183トンで対前年の32%、過去5年平均の24%と低調でした。 八戸の累計水揚量も394トンで対前年の47%、過去5年平均の19%と低調です。なお、太平洋側の中型船の船団は夏季の一次航海(日付変更線近く)及び年明け後の冬季の最終航海(三陸近海)はアカイカ操業を行います。 今年のアカイカの夏季漁は2800トンと昨年より1千トン多く、一昨年並みの水準で好調でした。アカイカ操業をやっていた船も、お盆明け以降は日本海のスルメイカ操業に切り替えています。 8月以降、中型船のスルメイカの主漁場は、北海道西方の武蔵堆からロシア水域内に漁場形成されており、今後、水揚げの伸びが期待されます。

水揚げは年々減少

 2009〜2013年の過去5年を漁期別(5月〜翌年3月)に比較すると、13年漁期は29,319トンで、過去5年間で最も少なく、最も多かった09年漁期の43,367トンより1万4千トンも減らしています。 特に落ち込みが大きかったのは小木で、日本海の表面水温が高めの傾向が続いていることから漁場の北上が早く、09年漁期の1万1千トンから12年漁期・13年漁期の4千トン台へと、3分の1まで減っています。 13年漁期と12年漁期と比較すると、函館82%、八戸105%、小木103%、全体では95%でした。函館が減ったのは8月以降の盛漁期の水揚げの伸びを欠いたためです。 13年漁期と過去5年と比較すると、函館82%、八戸91%、小木64%と各漁港で軒並み水揚げが減っており、全体では82%でした。 価格は11年漁期・12年漁期は1kg当たり260円台でしたが、13年漁期は羅臼など一部を除いて生鮮スルメも不漁だったことから350円と3割上げています。

生鮮不調も、羅臼で上向く

 生鮮スルメは1〜8月までの累計水揚量は、2009〜2012年は4万トン前後でしたが、2013年は3万トン、今年は2万4千トンと年々減っています。今年の減った大きな要因は、八戸のまき網によるスルメイカ漁や 八戸・石巻等の沖合底曳網によるスルメイカ漁で、所謂、網物が不調な為です。9月10日現在の八戸のまき網によるスルメの漁獲は2400トンで、漁獲枠の1万2千トンの2割程度に 留めています。スルメイカはこの時期、サバとの混獲で漁獲されますが、これからはサバ主体の漁獲に切り替わることから、これ以上の増産は期待できないと思われます。 これからの網物は、底曳網や噴火湾等の定置網等に期待がかかります。 小型いか釣りも地域により好不漁があり、7月中は檜山等の道南や岩手久慈沖等で一時期良い漁があったほか、 最近は道東(花咲等)でも多少良い漁もあるようです。羅臼(小型いか釣り+定置網)は早くも操業が始まっていますが、9月11日は釣り72隻でHP5671C/S・GR2884C/S、定置網662C/Sの計104トンと 今月に入り上向いてきました。羅臼では10年・11年・13年と2万トン台の好漁が続いており、今年も盛漁期の10〜11月を控え、今後、注目されます。

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