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vol.805

日本海のスルメ漁(5/29)

金沢沖は中旬にまとまる

 北陸の金沢で5月15日以降、スルメイカの水揚げが好調です。4月上旬は日本全体で一年で最もスルメイカの水揚げの少ない端境期に当たります。 金沢でも水揚げが始まっているものの4月上旬は1日数十は箱と少なく、 中旬は1日数百箱、下旬は1日1千〜2千箱と徐々に増加しました。5月に入ると本格的な来遊があって3千〜4千箱に急増し、 5月15日以降は、連日、2万〜3万箱(100〜150トン)と好調な水揚げが続いており、活況を呈しています。現在の主漁場は能登半島西側です。 5月28日は合計1万9千429箱の水揚げがありましたが、まだ、初漁期ということもあってサイズの小さい30尾入りが55%と半分以上を占めており、 40尾入り1%、バラ入り18%も合わせると全体の74%にも及びます。型の良いものはまだ少なく、25尾入り23%、20尾入り4%程度です。 現在、日本海で獲れているスルメイカは秋産まれ群で、これから北上しながら成長していくので、夏以降25尾・20尾の割合が増加します。

今年は並漁からやや良い漁

 5月28日現在の今期の金沢の累計水揚量は1,526トンで、好漁だった昨年の2,339トンには及ばないものの 2010年の1,649トンに次ぐ水準で近年では並漁からやや良い漁だといえます。金沢では年間1,700トンから4,500トンの水揚げがありますが、 盛漁期は5〜6月の2ヶ月に集中します。表面水温が高い年には北上が早く漁期が短い傾向にあり、逆に冷水が能登半島沿岸の漁場をブロックして 北上を妨げる場合には長期に渡って漁場が形成されることもあります。

新潟・山形でも水揚げ始まる

 一方、新潟では5月12日から水揚げが始まっており、最近は1日7千〜1万2千箱(30〜60トン)と水揚げが急増しています。 また、山形の酒田・由良・念珠関でも5月16日頃から水揚げが始まっており、最近は合計1千200〜1千600箱とようやく漁が出始めた状況です。 6月以降は道南でも操業が始まり、夏場は北海道西に主漁場が移ります。 また、太平洋側は三陸の定置網にも外套長5〜12cmの新仔イカ(下の写真を参照下さい)が入網し始めており、太平洋も含め、ようやく日本全体でスルメイカ漁のシーズンに突入したといえます。今年の漁に期待したいものです。

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