八戸沖の大中型まき網漁は、例年、7月中旬に始まり、スルメイカとサバが混獲される。漁期の前半はスルメイカ主体の漁で、9月前半までにTACのまき網のスルメイカの漁獲枠の1万〜1万2千トンを消化する。その後、サバ漁に切り替わり、12月初めまで八戸沖での漁が続く。まき網によるスルメイカは、この時期、生の加工原料が少ないことから主に八戸の加工業者が使用する。
今年はスルメイカまき網漁の出足が低調で、7月22日に初水揚げがあって以降、多い日でも1日200〜300トンで、8月12日までの累計で1500トンしかなかった。19日には今期最多の792トンの水揚げがあり、累計でようやく2,372トンを記録した。価格はサバ混じりで225〜160円、平均180円台と高止まり。八戸では年間2万〜3万トンの水揚げがあるが、1/3〜1/2をまき網の漁獲が占め、1/4を沖底の漁獲が占める。
7月の全漁法の込みの水揚数量は921トンと、09〜12年の3千〜6千トンと1/3〜1/6しかなく、08年の200トンに次ぐ低水準だ。
6月までの沖底のスルメイカ漁は、八戸を初め、石巻でも不漁でほとんど漁獲がなかった。7〜8月は沖底の禁漁期にあたり、9月に再開される。
一方、八戸沖の小型いか釣りによるスルメイカ漁は40〜50隻が操業しており、昼いか操業で3千〜7千箱を水揚げしているが、日間差が大きい。盛漁期だと120隻以上水揚げし、多い日だと2万〜3万箱水揚げされるので、盛漁期にはほど遠い。道東でも既に水揚げが始まっており、釧路が19日に54隻でHP3866箱・木2330箱、20日にHP7231箱・木1431箱。浦河が19日が11隻でHP710箱・木464箱、20日に7隻でHP903箱・木139箱。花咲が19日に2隻でHP382箱・木120箱、20日に10隻でHP1985箱・木462箱と各地まとまってきた。三陸・道東のスルメイカ漁に関しては、水研の予報はよくないが、今後、漁が好転することを期待したい。