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vol.793

房総沖でビンナガ竿釣漁始まる

早くもビンナガ漁スタート

 今年の近海船によるカツオ竿釣漁は、黒潮系の鹿児島のトカラ列島で近年にない好漁が続きました。ここ数年、この時期の主漁場は小笠原〜伊豆諸島ですが、4月末まではいまいち盛り上がりにかける漁模様でした。今月に入ると房総半島東南東沖の70海里(北緯34〜35度、東経142度付近)に漁場ができました。この漁場では竿釣船のほかにまき網船も操業しており、カツオもようやくまとまり始めましたが、ビンナガ主体の漁も早くもみられています。

価格は安値傾向

 ビンナガは、例年、この時期に黒潮続流域(房総半島東方)で漁獲され始め、7月頃まで漁が続きます。昨年は1航海で70〜100トン積んでくる船もあり、それだけで1500〜2000万円の水揚金額になります。 カツオだけの漁獲だと水揚金額は500〜600万円しかない船も多かったのですが、この時期のビンナガは、竿釣船にとって大きな収入源になっています。例年、ビンナガの1kg当たりの価格は200〜230円ですが、今年は197〜198円とやや安い価格で始まっているものの、価格は概ね安定しています。この時期の竿釣で漁獲されるビンナガは、缶詰原料や輸出向けとなります。 昨年の在庫があることや、魚体が通常は7〜9kg級が主体ですが、今年は9〜12kg級(体長74〜82cm主体に66〜68cmの5kg級混じり)の10kg前後とやや大きいことも影響しているようです。

予測は・・・

 JAFICの本田参事の竿釣りによるビンナガ漁況予測によると、春期の紀伊勝浦(伊豆諸島西側の紀南礁)で水揚げした延縄船の漁獲物 では、竿釣の主対象となる3歳魚(6〜10kg)が2月下旬までは近年では1番良かった昨年に次ぐ漁獲水準でしたが、 3月上旬以降、急に過去5年で最も低くなってしまいました。これは延縄漁場から一気にビンナガが抜けたためで、来遊量は決して少なくなく、昨年に匹敵するぐらい期待できるのではないかとの見解でした。

 今年のビンナガ漁も始まったばかりですが、少しでも良い漁が長く続くことを期待したいと思います。

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