今年も12月に入り、残すところ1か月を切った。主要魚種の 水揚状況をみてみたい。
スルメイカは、羅臼(釣り・定置網)で2010年2万トン、2011年2万6千トンと豊漁が続いたが、今年の10月は4千トンと遅れていたが、11月は1万トンと挽回し、11月末累計で1万4千トンとまずまずの漁となった。北海道の定置網の漁期は11月末までで、現在、小型いか釣りが20隻程度残って操業している。
一方、三陸では底曳網による漁獲が上向いている。八戸では木箱で7千箱から多い日では1万〜1万3千箱、宮古では11月中は1日20〜40トンだったが12月に入ると1日90トン、3日140トンと急増。石巻は11月中旬は1日40〜50トンの水揚げがあったが、現在は数トンから20トン程度と半減した。三陸〜津軽海峡の漁は1月前半までで、それ以降は小型いか釣りでは九州北部が主漁場となる。
秋サケ定置網漁は、北海道は上記の通り11月末で終漁したが、今年は9万9335トンと10万トンを割る不漁年となった。2007年・2009年と15万トンと並漁だったが、2010年は12万トンで2008年・2011年は11万トンは不漁が続いた。水研の資料によると北海道全体では来遊の主体となる4〜5歳魚の来遊尾数は平年並みだが、太平洋側では92年級以降では過去1〜2番目に少ない来遊水準という。
また小型化が顕著で、90年代前半は1尾あたりの平均体重が3.2kgで、その後2003年の3.8kgまで増加。その後3.3〜3.5kgで推移。今年は3.1kgで、平成年代では94年の3.05kgに次ぐサイズで、昨年よりも300g小さい。
岩手は例年11月下旬〜12月上旬に水揚げのピークを迎える。今年の11月20日現在の累計漁獲量は3,454トンで昨年より10%多いものの、2007年の4分の1、2008年・2009年の3分の1と大幅に少ない。11月上旬の平均体重は2.83kgで昨年同期は2.99kgなので160g小さい。2008〜2010年の11月中旬〜12月中旬では3.2〜3.4?なので、それを考慮すると北海道同様300g位小さい。
今年のサンマ漁も終盤を迎え、現在の主漁場は銚子沖。全さんまの11月末の累計漁獲量は20万6千トンで昨年同期19万9千トンと比べ3%増。8〜9月前半の初期漁場は例年より東寄りで遠く、北海道の水揚げは昨年に比べ10%減らした。三陸は市場の復旧もあり、本州は31%増となった。水揚げが一番多いのは昨年同様根室の花咲港の75,331トンで、昨年同期の78,537トンと比べ6%減らした。サンマの輸出も秋サケ同様に厳しいようだ。