沖縄では梅雨明けも聞こえてきましたが、このシーズンは何と言っても、まき網マグロが本番を迎えます。
中でも日本海のマグロまき網漁は、特に近年スタートが早くなっており6月初旬には初漁がみられるのが通例です。
今年も初水揚げは、6月2日と近年の傾向通り極めて早い時期にみられました。
表1は境港における平成年代に入ってからのクロマグロの水揚量、単価、魚体等を表したものです。
平成16年を境に日本海のクロマグロは、明らかに豊漁型に切り替わっています。その後昨年まで、基本的には豊漁基調が続いているのが読み取れます。しかし、今年は初水揚げの日は近年並みでしたが、その後水揚げが18日までみられず、一部のまき網船は地元に戻った、という話も聞かれます。ただ、かつては7月に入ってからが初漁という年も多かったので、必ずしも今年の停滞している状況がそのまま不漁に繋がるかどうかは、まだ明瞭ではなく、これからが本番とみている人もいるようです。
初漁の時に漁獲されたサイズは、50-30kgが多かったのですが、その後はサイズアップもあり平均で50-60kgとなっています。中には170kgの超大型サイズも混じるようになってきました。
まだ3隻だけの水揚げということもあって、魚価は、2200-2000円/kgと下がることなく高値が続いています。本来であれば、1000円台まで下げてくるのですが、今年は2週間以上漁が切れていたこともあって、こうした高値が維持されています。 クロマグロは、間もなく産卵時期を迎えます。産卵後のマグロとなれば価値も半減することもあって、生産者サイド、流通サイド、小売りサイドも早い時期のマグロに期待しているのです。
今クロマグロは、天然、養殖を問わず、市場内外では50-60kgものが、適正(扱い易い)サイズとして認知されています。特に養殖物は、生産コストの面からみても、また徐々に目利きのプロが少なくなっている現状もあり、上記サイズの範囲であれば、誰でもが不安なく扱えるということなども大きな利点になっています。また養殖物のみならず今や天然物も超大型~大型サイズよりも、中型サイズが売りやすい買い易いといったことや歩留まり問題や部位の関係もあって徐々に中型サイズにシフトしている側面もあるようです。