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vol.776

三陸主要港の水揚状況

 東日本大震災の発生から9ヶ月経つが、現在も連日、マスコミの報道もされている。三陸の主要港の水揚げも、初夏から夏頃にかけて徐々に再開した。主要港の11月までの累計水揚量・水揚金額をみると、岩手県宮古は、昨年同期の7割、宮城県の気仙沼は3割、女川(10月まで)と石巻は2割と市場間格差がみられている。

宮古

 宮古は、八戸・塩釜・銚子をのぞくと、早くから市場を再開し、トロール・定置網の操業も始まった。例年だと秋鮭定置網漁の盛漁期を迎える時期だが、岩手県内の秋鮭の水揚げは、去年の半分以下と低調。

気仙沼

 気仙沼は、6月頃からカツオの水揚げが例年通り始まった。まき網が最初水揚げを始め、7月になると竿釣りも水揚げを始めた。餌や資材の不足から入港船・水揚げの制限をしていたが、9月後半には1日400トンの水揚げまで回復。サメやメカジキは徐々に水揚げを戻しているも、銚子に入港する船が多く、例年に比べ少ない。

女川

 例年、3月中旬になるとこの地域では養殖ギンザケの水揚げが始まり、お盆前まで水揚げが続く。今年の3月の震災の時、養殖ギンザケの初水揚げの直前であった。逃げたギンザケが各地の定置網やトロールで漁獲され、ニュースにもなった。女川は本州有数のサンマの水揚港と知られるが、10月当初は入港船も1日1隻程度であったが、11月になると徐々に増え、2から3隻が入港するようになった。

石巻

 石巻もギンザケの初水揚げ直前であった。例年、夏場はサバまき網漁やカツオまき網漁が本格化するが、ようやく秋になって例年の3分の1程度の量まで回復。

サンマ

 三陸では多くの冷蔵庫・加工業者が被災したことから、現在、三陸の主要港では鮮魚向け中心に廻している。サンマの11月末現在の累計漁獲量では、20万トン弱で、不漁だった昨年の17万トンを上回ったものの、約7割が北海道(根室花咲港主体)が占め、昨年・一昨年の4割台とは様相を呈し、岩手と宮城でも水揚量に差が出ているようだ。

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