7月17日(日)晴天。18日で終了の「JR東日本パス」を使い、新幹線で仙台まで。車窓からずっと見えていたのは、水田の緑が目映い夏の風景。そこまでは地震や津波被害の爪痕を目にする事はほぼ無かったが、東北本線に乗り換え松島駅へ行く途中の陸前山王から国府多賀城間で初めて瓦礫の山を目の当たりにすることとなった。
松島駅に降り立ち、車で会場へ向かう途中も特に目立つ被害には気付かなかったが、たまに見かける仮設住宅や中学校の割れた窓ガラスが、ここは被災地なのだと物語っていた。
会場となったのは宮城県東松島市鳴瀬第一中学校。築地市場の仲卸等の男衆が集結し、炊き出しボランティアが実施された。
提供されたのは「うなぎのくりから」(※もともとは鰻をさばく際に出る端切れを串刺しにしたもの)「いかの丸焼き」「B級グルメの王道。清水のソースや焼きそば」「石川家の塩焼きそば!」「築地直送鉄火丼」「新感覚スイーツ黒蜜ところ天」等。
その他に「どじょうすくい」や「沢ガニすくい」等、暫し現実を忘れて子供から大人まで大いに味わって楽しむ光景に、見ている自分の心も和んだ。
一方そのイベントに相乗りする形で、こちらは築地の女性が発起人となり被災地支援を呼びかける団体「チーム Tsukiji Women」の「お好きにどうぞ市」が並んで開催された。
仮設住宅での新しい生活で、まずは「食卓の再生」から始めて頂こうと、女性ならではの視点で発足。家に眠っている生活雑貨(※新品に限る)の提供を全国に呼びかけることから始まった。
初日は口コミで届いた数個の段ボールを見ながら「のんびり続けて行こう」と考えていたのだが、数日後新聞に活動が紹介されてからの怒濤の日々は、想像を絶したと発起人の一人であるHさんは語っている。「毎日、運送会社が荷物を届けるカートの音を聞くだけで体が震えた」とも。
慌てて募集にストップをかけたのだが、それでも1万個を超える段ボールと軽く計算しても10万点を超える(※最終集計結果は未だなので、おおよその数)の生活雑貨が提供されたことになる。
そんな善意溢れる品々が、これまた善意の固まりのボランティアの方々によって仕分けされ、ようやく開かれた無料バザール「お好きにどうぞ市」。品物は殆どむき出しのまま手渡されるのだが、思いやりと言うラッピングがそこには確かに見えた。
照りつける日差しの中で子供からご老人まで我慢強く順番を待ち、やっとお目当ての品を見つけてそれらを手にした嬉しそうな顏を見れただけで、スタッフはきっと満足だったに違いない。
無料バザールは今のところ残りあと1回の予定だが、今後も別な形での支援を考えていきたいとのことである。今後の活動についてはhttp://www.tsukiji-women.jp/を参照のこと。