早いもので今年も残すところ数日となった。リーマンショック以降の世界的な不景気も続き、水産物を巡る環境も変わった。消費者は節約疲れからプチ贅沢をするようになったと言われ、今年は猛暑も記憶に新しい。そん中、今年のサンマ漁と秋鮭漁を簡単に振り返りたい。
今年のサンマ漁は、9月前半まで大不漁に見まわれ、主要産地のサンマ祭が中止に追い込まれるなど、マスコミでも大いに話題となった。10月末の累計水揚量は、13万3千トンで昨年の20万5千トンの3分の2の水準に留めた。その後も多いに日には4千トン前後の水揚げもみられたものの、12月20日現在の累計では19万3千トンで前年同期の30万4千トンと、前年の3分の2の水準で、12月21日の水揚げで今期終漁した。
昨年、サンマの水揚げ日本一であった銚子は6万トンから1万4千トンまで減らし、漁期前半の主漁場に近かった根室・花咲は昨年の5万4千トンから4万8千トンに減ったものの、日本一に返り咲いた。
北海道の秋サケ漁は、当初、好漁との予報もあったが、猛暑の影響もあり、来遊が遅れ、不漁傾向となった。平成17〜19年及び21年は15〜17万トンの水揚げがあり、並漁〜やや好漁であったが、今年は20年の11万4千トンよりやや多い12万2千トンの水準に留め、不漁となった。今月盛漁期を迎えた岩手の秋サケ漁も、北海道同様に不漁となっている。
今年の水揚げが好いのはブリ位で、カツオは昨年の大不漁からやや回復した。来年こそは、水産業界にとっても良い年になることを願いたい。