ブリの水揚げが、夏以降全国的に好調だ。東京・築地市場でもワラサ・イナダ級を中心に、連日1万箱以上入荷が続いている。この時期一番の高い値段が「天井ブリ」と呼ばれている北海道の定置物。北海道の秋鮭の定置網漁は、今年は不漁だったものの、例年はほとんど入らないブリが、今年は多く入網し、北はオホーツク海でも獲れている。これは日本海の夏場の水温が高く、北まで回遊したためと言われている。
15日の築地の相場(いずれもキロ値)をみると、ブリは北海道・日本海の余市の12kg物は2千円、房州の11〜10kg物は1300〜1200円、9〜7kg物は900〜500円。同じ9〜7kg物でも鹿児島・高知は300〜250円と倍以上の価格差だ。ワラサは房州の5kg物が400〜350円、島根の5〜6kg物が350〜300円。石川の2kg物が300〜250円、山陰の2.5kg級が250〜200円。イナダは北陸・山陰の1kg級が200〜150円、600〜800g級が150〜100円/kg。
このように西に行くほど、小さくなるほど価格は安い。養殖物の出番がないほど獲れており、これから年末にかけて本格化する北陸の定置物も、この状況をみればよいのではないか。