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vol.744

今期のサンマ漁況予報

 今期のサンマの漁況予報が、さる8月3日に水産庁・水産総合研究センターから公表されました。予報の対象期間は8〜12月で、対象海域は道東〜三陸、対象漁業はサンマ棒受網です。 予報の結果は次のようなものでした。

予報結果概略

 (1)来遊量:来遊量は前年を下回る。
 (2)魚体:漁期を通して大型魚と中小型魚の割合の変動が大きい。漁期始めは中小型魚が多いが、その後大型魚の割合は増加する。漁期全体での大型魚の割合は前年を上回る。
 (3)漁期・漁場:大型船出漁後の漁場は択捉島南沖に形成される。三陸沖への南下時期は平年並みで、漁場形成は10月上旬になる。

サンマの資源量

 漁期前調査(6〜7月)による推定資源量は2004〜08年の400万トン台で安定してましたが、09年は350万トン(601億尾)に10年には220万トン(263億尾)と半減しました。大型棒受網船の1網当たりの漁獲量は2003〜04年は3トン、05〜07年は5〜6トン、08年は7トンと増加しましたが、09年は3トン台に減少しました。以上のように、北西太平洋のサンマ資源は2008年までは高位であったものの、09年から大幅に減ってきたようです。

サンマは沖寄りに分布

 今年の6〜7月の漁期前調査によると、サンマの分布は例年と異なり、東経163度以西(沿岸)で少なく、東経163度以東(沖)で多かったそうです。サンマ船が行けるのはせいぜい東経152度位までで、沖にいる群れが漁場に加入するのはごく一部で、大半は沖を南下します。最近のマスコミの報道に多い、猛暑だからサンマが沖にいて不漁というのは、春先〜初夏に北上するので時期的に合わないですし、都合よく後から付け加えた辻褄あわせです。なにせ今年の前半、三陸〜道東は平年より3〜4度低かったですからね。

魚体

 漁期前調査による海域別の魚体組成は、東経160度以西では中小型魚の割合が高く、東経160〜180度では大型魚の割合が高かったが、180度以東では中型魚以下の割合が高かったとのことです。このため、漁期を通じて中小型と大型の割合の変動が大きいようで、漁期全体では昨年よりも大型の割合が多いとのことです。

週末に大型船出漁

 今週末の15日の日曜日に大型棒受網船が出漁して、全船出揃います。お盆休みの関係もありますので、操業が本格化するのは8月下旬以降でしょう。9月に入ると各地でサンマ祭りも行われますので、”秋刀魚”はやはり秋の魚の代表格ですね。

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