WWFジャパンの主催で8月3日に東京芝の東京プリンスホテルで、『消費者と考える国際マグロシンポジウム〜日本の食卓が地球環境を変える〜』が開催された。一般の消費者を始め、業界関係者や大学の先生など150人が参加した。
諸事情により、おさかなひろばの覆面調査員no.001が代打でマグロの一般的な話をすることとなった。
当日は司会と打ち合わせを10分程度、同時通訳が付くということで通訳の人と5分程度簡単な打ち合わせを。通訳の人のノートを見ると、漁法の翻訳が書かれていたり、マグロの成長段階の卵・仔魚・稚魚・若齢魚・未成魚・成魚の翻訳をどうするか担当者と打ち合わせをするなど準備も大変そうだった。
WWF担当者から覆面調査員no.001には、「消費者向けにマグロの一般的な話を食べる方面からわかりやすく」と言う注文があり、なるべくそれに合うように話した。続いて水産庁の宮原審議官がマグロの資源管理の現状と課題について講演を行った。
宮原審議官は数多くのマグロの国際会議に水産庁を代表して参加。大西洋クロマグロはモナコの提案で絶滅危惧腫としてワシントン条約に載せられそうになったが、この条約は、そもそも国際的な取引(輸入)を規制するもの。
EUの各国からはワシントン条約で大西洋クロマグロの国際取引が規制されて困るのは日本だけで、EU各国はマグロを取り続けてその分を自国で消費するといわれたという。
太平洋クロマグロに関して、韓国が巻き網で獲りだし、博多に輸入する量が急激に増えている。韓国は国際的な管理組織に加盟せずに、自由に獲っている。韓国から輸入する際、どの船が獲って、どの商社が輸入しているか特定するできる制度を今年1月からスタートさせたと紹介。
漁業者を代表して壱岐の一般釣り漁師の松尾さんと大久保さんが、続いて大間漁協の濱端組合長が事例紹介を行った。濱端組合長は、大中型まき網は日本海で鮪を巻いて、同じ船が三陸沖に廻ってスルメやサバやイナダを巻く。三沢沖で巻き網がスルメを1日で1300トン巻いた。巻き網は根こそぎ巻くので、魚がいなくなってしまう。我々小型船は県を越えて操業するにはそれぞれ県の許可が必要で、まき網みたいに自由に動けない。トロールは7・8月は禁漁だが、巻き網も魚が北上する時期は禁漁すべきだと訴えた。