水産総合研究センターが、常磐〜三陸沖の6〜11月におけるカツオ漁況予報を公表しました。昨年は過去最大の大不漁といわれ、近海竿釣り船の存亡の危機と騒がれました。予報の概況は以下のようなものです。
近海竿釣りの旬別CPUE(1日1隻あたりカツオの漁獲量)は3月上旬に平年を上回ったものの、全体的には平年を下回って推移。3月中旬〜4月中旬では、昨年を下回ったものの、5月上旬以降は昨年を上回った。一方、5月の伊豆諸島から房総近海における曳縄の漁獲量は平年を下回った。
本年の常磐・三陸沖の6月以降の来遊資源動向について予測したところ、昨年をやや上回るものの、過去10年の平均値を下回ると予測。
本年は春先から常磐〜三陸近海の水温が沿岸域を中心に平年より低く、そのため常磐沿岸域での魚群の北上は妨げられていたと考えられるそうです。6月上旬現在では、沿岸では依然平年よりも低水温のため、常磐沿岸域での魚群の北上は妨げられているものの、沖合ではかつおの北上に著しく影響する海洋環境は見られないとの見解です。
近海竿釣り船の主漁場は、最近まで八丈島東方でここ2〜3年同様にビンナガ漁を行なっていましたが、先週位から塩屋崎〜相馬沖に北上し巻き網船と同じような場所でカツオ漁を行なっています。このため、気仙沼にも竿釣り船の入港が増えています。
今年は例年よりも小さいカツオが多いようです。秋にかけて三陸沖で餌を食べ、身に脂を乗せ、戻り鰹となって南下をしますが、初鰹とは違った季節感が味わえます。ようやく本格化してきた、今年のカツオ漁に期待したいものです。