横浜市中央卸売市場本場水産物部で毎月開催される、地域住民との交流事業がこの12月で一周年を迎えた。主催はお魚マイスターを中心に構成される、市場と地域住民との交流と魚食普及活動実行委員会。この交流事業は、毎月、第1・第3土曜日の午前9〜11時に開催されており、この12月5日と19日は、一周年記念感謝祭として特別企画が行なわれた。
お魚マイスターによる旬の魚の料理教室や仕入れ体験、市場探検ツアー等を通じて、一般の人々に魚や市場のことをもっとよく知ってもらうために開催。某テレビ局の朝の情報番組で紹介されたことにより市民に広く知られ、市場の近隣の高層マンションの住民も、毎回、訪れているようだ。
12月の特別企画は、仲卸業者によるマグロの解体、アンコウの吊し切りの実演・販売、先着300名に魚河岸汁(5日は鱈の白子入り)をサービス、先着200名に来場者プレゼントなど。毎月開催される、お魚マイスターによる魚の料理教室は、今月はお休みとなった。
人気企画の市場探検ツアーは、この日(12月5日)は約40名が参加した。ガイドはお魚マイスターで、横浜市中央卸売市場の荷受会社の横浜丸魚の川島さんなど。川島さんによれば横浜市中央卸売市場は日本で3番目にできた中央卸売市場で、築地は日本橋にまだ魚河岸があったので、築地よりも古い市場と紹介。
市場内には京都の伏見稲荷の分社があり、そこからスタート。飲食街を抜け、発泡スチロールの処理施設を見学。発泡15〜16個を固めて1枚の板ができ、それを輸出して再利用されているという。次にマグロ等が保管されている超低温の冷凍庫を見学した。エレベータに乗り、まずマイナス25度の予備の部屋を経由して、マイナス40度の冷凍庫内に入った。
庫内には仲卸業者ことに柵でし切られ、4つ割にしたマグロが入っていた。中にいた時間は5分もなかったものの、鼻が凍る感じで息をするもの辛く、すぐむせた感じになる。職員の話によると、冬は庫外との温度差は少ないものの、夏は外が30℃近くなるので、温度差が70℃近くなるとのこと。大変な作業だ。
活魚売場や加工品の低温売場、マグロのセリ場を見学。この時間帯はマグロが売場になかったものの、セリ台にのって仲卸業者の雰囲気を満喫。一般の人が、市場に入る機会はなかなかなく、市場との接点がないのが実情だ。冷凍庫や活魚売場やマグロ売場など、一般の消費者を入れない場所に合えて開放するのは画期的だと思うし、仲卸店舗も一般消費者にも販売するのは、市場の敷居を低くし、市場を市民に近づけていると思う。