今年一番の寒さの中、仕事で岩手県に出張。
先週の宮崎出張の際にネットで探した民宿旅館に泊まることにした。日程を勘案しながら宿やホテルを探したのですが、適当な物件がなくようやく探し当てたのが「高末民宿旅館」。宿の謳い文句が「ドンコ民宿」。すぐに決め、早速田老町にある宿を手配することにした。出張で民宿旅館に泊まることは殆どないのですが、今回は「ドンコと女将の笑顔」につられて試しに決めた次第。
3日の夕方に現地に到着。早速一風呂浴びて、夕食前にビールを飲む。そして待望の夕食。まず写真のお膳が出る。 メニューはサンマの刺身、ホタテ、マグロ、白身の3点セットの刺し盛り、ホタテの焼き物、メカブ、ホヤ入りの酢の物、金平ゴボウ、香の物(沢庵)、具沢山の味噌汁、あれ、ドンコがない?と思っていたら、ドーーンと出てきたのが「ドンコの煮付け」。
魚の煮物大好きの私としてはラッキー、とそれよりもドンコ汁は何回か食べたことがあるのですが、煮付けは初めての経験。甘さを抑えて煮て、それに細かく刻んだ長ネギを沢山散らしてある。これがまた通常の煮付けとは違ってアジに締まりが出て、あんなに大きい(25〜30cm位)1匹のドンコを飽きさせない。
女将の話によると、なにしろあのドンコは選りに選ったドンコで延縄物を必ず使うことにしているそうだ。網物に比べるとやはり縄物は、扱いも大事にされ見た目も違うので、漁協に頼んで仕入れている。お客さんには必ずメニューに入れ、出しているそうだ。連泊の人にはまた別メニューで女将が考えながら提供しているそうだ。
食事の後、女将と話をしていたのだが、海外からの宿泊客も多いそうで、米国、イタリア、中国、台湾、香港と、バラエティに富んでいるようだ。子供たちには、「お母さん、イタリアの人には絶対無理してスパゲティを出したら駄目」と言われ、どんな国の宿泊客にも地元産のものを提供するように心掛けているようだ。事実女将さんも「地産地消」や「スローフード」が今の流れですものね、と話していた。
ただ田老町の民宿旅館も往事の2桁台に比べると、1桁台に減少しているらしい。これからも長くお客さんに「おいしい食事」と「素敵な笑顔」を提供してほしいと願って、漁協の隣にある、「高末旅館」を後にし、仕事に向かった。