3年ぶりに大発生している大型クラゲ(エチゼンクラゲ)。若狭湾・富山湾・秋田沿岸・三陸沿岸(下北半島〜気仙沼)の定置網では、1千個体以上の大量入網が連日続いている。太平洋側を南下している先端は、先週から2日付けの報告では相模湾〜伊豆半島東岸〜遠州灘〜愛知県沖(渥美半島)や駿河湾(沼津・清水)で、4日付けの報告では三重県沖(紀伊半島大東崎)に達した。ここ5〜6年の本州の南限は千葉県付近までであったが、今年は黒潮が房総半島沖で離岸していることから、黒潮の反流や親潮の差し込みにより、とうとう紀伊半島付近まで達したようだ。
日本海では津軽暖流と分岐し、一部は北海道西沖も北上。対馬暖流から宗谷暖流にのって、稚内からオホーツク海側に入り、先端は網走から知床半島に達した。一方、クラゲの主群は津軽暖流にのって日本海から太平洋側に入り、三陸沖で猛威をふるっている。
八戸沖ではサバまき網漁が盛漁期を迎えているものの、クラゲが混じるとクラゲの毒で獲った魚の品質を劣化させて魚価を下げるほか、網に入るとクラゲが砕け、漁業者の余計な作業の手間が増える。千葉のまき網船では、クラゲが大量の網にかかり、転覆する事故も起こった。(右の写真は八戸港で10月23日に撮影)
三陸の定置網では、これから秋サケ漁の盛漁期を11月下旬〜12月上旬に迎え、山陰では今週末から底曳網でズワイガニ漁(越前ガニ・松葉ガニ)が始まる。早く水温が下がってクラゲの活性がなくなるのを、心から祈るばかりである。詳しくは漁業情報サービスセンターのクラゲ情報のHPを参照下さい。