サンマ棒受網漁の主漁場は、10月上旬までは道東〜襟裳岬沖でしたが、10月中旬以降、ようやく三陸沿岸(宮古〜金華山沖)に移りました。
今年のサンマの魚体は流し網で獲った7月から棒受網に漁獲の主体が替わった8月末までは、1尾あたり体重170〜200gの大型魚・特大魚が大半を占めていました。中には200〜250gという例年ほとんど見ないようなサイズも獲れていました。スーパーでも特大魚が1尾100円で早い時期から売っていましたので、消費者も「今年のサンマは大きい」というイメージが定着したようです。定食屋とか居酒屋でもそんな会話が時々耳に入りました。
しかし、9月に入ると当初の漁況予報通り、大型魚・特大魚の割合は徐々に低下し、体長27〜28cm・体重80〜100gの中型魚の割合が急増しました。30〜32cmの大型魚・特大魚も、漁期始めに比べるとだいぶ体重が低下して痩せてきています。
最近、スーパーで売っているサンマも、依然より細くて小さい物が中心になっているようです。
10月の本州〜道東一帯のおける1日あたりの水揚量は、1千500〜6千トンと日間差が大きいものの平均すると2千〜2千500トン程度でしょうか。台風の通過のあった9日は802トン、10日は18トンしか水揚げがありませんでした。全さんまが公表した10月上旬現在の漁期累計水揚量は14万8592トンで前年同期の2%増、水揚金額は138億4597万円で前年同期の5%減、平均単価も93.2円/kgで前年同期の7%安となっています。
今年はミール向けの操業が、既に始まっています。ミール(魚粉)は養殖魚の飼料となるもので、鮮魚向けと混じらないように分離して水揚げされています。
ミール向けのサンマの水揚げは市場によって土曜日の午後や日曜日に行われています。ミール向けの相場は20円/kgで、別途、市場や問屋の手数料が加わるようです。
サンマは太平洋側の漁が悪い年には、なんと小型船が廻ってオホーツク海で10〜11月に操業することがあります。太平洋のサンマに比べると太さの割に体長の短いものが多いといいいます。
今年は根室海峡の羅臼沖で、小型船が10月中旬に1日のみ操業を行ったようですが、漁も1日1隻平均6トン台と低調だったようです。今年のサンマ漁も半分以上過ぎ、漁期の残りも2ヶ月ちょっとなっています。昨年〜今年とサンマ業界も大きな変換点(輸出&ミール向け操業etc...)を迎えていますが、今後も注目する必要がありそうです。