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vol.708

築地市場『魚の日』まつり

 10月10日(土)に築地市場『魚(とと)の日』まつりが開催されました。全国水産物卸組合連合会(全水卸組連)が、毎年10月10日を『魚(とと)の日』と3年前に制定し、市川團十郎が描いた鯛のポスターを魚屋さんの店頭で目にした人も多いのではないでしょうか。正午から午後4時まで場内で様々なイベントが行われ、メインステージではサッポロイメージガールの美優紀さんとモデルのケイティさんが築地市場の1日場長として任命されました。

 引き続き、産地・市場・消費者の代表をパネラーにパネルディスカッションが開催されました。産地代表の石川県七尾市の鹿渡島定置の酒井秀伸社長は「獲った魚の鮮度保持に、海水を凍らしたシャーベット氷を使用している。海水は真水と異なり−2℃で凍るので、長時間低温が維持される」とシャーベット氷のメリットを紹介。その後、メインステージでは100kg級のメバチマグロの解体ショーやジャズの演奏や、築地ウルトラクイズ等が行われました。来場者には1万円相当の天然本マグロの、トロと赤身のサクを2千円という格安な値段で販売されました。

築地の技の実演

 魚屋さんの組合である「魚商」による魚の捌き方の実演も行われました。まず、卸会社の活魚担当者が、ターレットに水槽を載せ、活きたマダイと共に入場。鰓と尾の付け根の2箇所に包丁の刃を入れ、尾の方から針金を脊髄に差し込み、活け締めの完了。こうすることで死後硬直が続き、半日は鮮度保持ができるそうだ。その後、「魚商」の理事長の解説のもと、副理事長がマダイとワラサの捌き方の実演を行い、来場者に刺身が振る舞われた。実演を見ると刺身を切るとき、包丁は引いて切るものだと実感でき、とても有意義。切るのもリズムがあるし、盛り付け方も街のお魚屋さんだけあって、お見事。

イクラをラケットで

 産地PRエリアでは全国各地の漁連・漁協は物販を。和歌山県からは勝浦漁協がマグロの生ハムやキハダの刺身をPR。マダイの養殖業者も参加しており、餌に紀州の名物である梅干しを混ぜて与えているそうで、「紀州梅まだい」としてブランド化を進めているそう。 鯛が梅の味になるのではなく、病気に強くなったり、味は脂があっても養殖魚特有の脂っぽさを感じさせないなどのメリットがあるようです。
 道漁連はイクラ作りの体験を行っており、秋サケのスジコをほぐすのに、なんとバドミントンのラケットを使ってました。魚を焼く網でもよいそうな。

飲食販売エリア

 築地関係の団体や各地の団体が飲食物を販売。築地の銀鱗会は海老の塩焼きや海鮮焼きそばなどを。北洋物業会は石狩風秋鮭汁やイカ焼きなど。中でも旬の宮島かき小町会の焼き牡蠣やふぐ組合のふぐ唐揚げは長蛇の列を作っていました。JoyFの若布の干した芽株を素揚げしたものは、食べたことのない食感で、美味しいという声があっちこっちから聞こえてきました。

築地の歴史の講演

 厚生会館では食育ジャーナリストの砂田登志子氏の講演と、築地市場の歴史の著作もある築地市場・森本博行場長の講演も行われました。豊洲市場に移転する計画がある中、築地市場の歴史を後生に残す必要性を感じ、資料を集め始めたそうです。

明治22年、魚市場はまず箱崎・芝・深川に計画され、日本橋に移った魚河岸は大正12年の関東大震災を機に、臨時市設市場として開設したのが築地市場の発端。昭和5年から現在の加工棟・関連施設棟の位置に暫定市設魚市場として開場し、昭和8年に現在の施設がほぼ完成。

 市場が扇状になったのは、魚を運ぶ貨物列車の引込線の問題だけではなく、内側にまだ暫定市設魚市場が残っていたことにもよる。仲卸業者の不買運動など昔から市場ではもめ事が数多く、今でも同じ。森本場長は青団連の勉強会でも築地市場の歴史を話すそうで、参加自由とのこと(10月17・24日・11月7日 都講堂)。

2千円の本マグロのサク

 来場者には1万円相当の天然本マグロをなんと2千円で販売ということなので、試しに買ってみました。天然本マグロは、アメリカ・ボストン産。サクの大きさはトロが150gくらいで、赤身が100gくらい。切ったのがこの写真。トロは養殖物とは異なり、脂が自然で少し指しが入ってました。赤身はちょっと・・・・デパ地下の鮮魚店でみると、アメリカ産天然本マグロの中トロが100g1980円で赤身が100g880円といった価格で売ってました。

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