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vol.707

北海道の秋サケ漁概況

漁獲は昨年の4割増

 北海道の秋サケ定置網漁は、例年通り8月24日にスタートしました。漁期前の予報では、今年帰ってくる中心となる4年前に放流した稚魚の生き残りが悪く、過去最高を記録した平成15年の20万6千トンの半分の水準と見積もられていました。
 平成年代では最も少ない量です。フタを明けてみると10月7日現在の累計水揚量は91,171トンで、20年同期の63,538トンを43.5%、19年同期の89,805トンを1.5%それぞれ上回っており、大不漁という感はなく、並みの漁といったところでしょうか。しかし、豊漁年であった15〜18年同期の10〜14万トンという量には遠く及びません。

盛漁期を迎える

 9月下旬以降、道内の水揚げは1日に4千トンを越えており、特に月曜日は2日分ということで6千トンを越え、盛漁期を迎えています。北海道の盛漁期は例年9月下旬ですが、水温の関係などで16年や19年のように年によっては盛漁期が10月上旬にずれ込むこともあります。
 今年の累計水揚量91,171トンのうち、オホーツク海地区が4割弱、根室地区が2割強、釧路地区が2割弱といった構成比で、年や時期によって替わります。

浜値は低迷

 秋サケはここ数年中国向けの輸出が好調で、浜値を支えてきました。しかし、一年前のリーマンショック以降、好調だった秋サケやサバの輸出は大幅に減り、これから本格的に輸出を行って浜値アップを狙ったサンマも思ったほどは輸出が伸びませんでした。秋サケで価格の高いのはイクラの原料である筋子のいっぱい詰まった雌のBブナですが、指標である標津では昨年のこの時期キロ900円前後(11月上旬にはキロ千円超えた地区も・・・)でしたが、今年は製品在庫も多いようで500円前後と低迷しています。
 雄も昨年はキロ250〜270円でしたが、今年は160〜190円と100円近く下げています。北海道内の秋サケ漁は11月末までで、来月に入ると水揚げの主力は三陸、特に岩手県に移り、11月下旬(年によっては12月上旬)に盛漁期を迎え、来年2月まで漁期は続きます。関東のスーパーでも、生筋子の販売が定着していますが、温いお湯とザルを使って卵をほぐして醤油や調味液に30分程漬ければ「イクラの醤油漬け」が簡単に作れます。イクラをいっぱい食べたい方はお試しを。でも、痛風持ちの方は魚の内臓や魚卵系統は控えた方が良さそうですね。あの痛みはちょっと・・・

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