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vol.688

日本海マグロ漁続報

 日本海のクロマグロまき網漁は、昨年より3日遅い6月6日に境港で初水揚げがあったものの1トン強と少なかった(漁場は飛島沖)。8日は境港55トン・七尾20トン・蛸島30トンと合計105トンのまとまり、翌9日は境港で55トンと水揚げが続いた(漁場は佐渡沖)。魚体は30〜40kg級主体に大きいものでも55kg級と小型中心。6月中旬に漁が切れたことから、ヨコワ・ワラサの操業に一時切り替えた。下旬になると能登半島〜佐渡沖や若狭湾沖や隠岐堆といった西寄りの漁場形成で再開し、境港では21日・24日・28〜30日と水揚げが続いた。昨年は6月中は水揚げが連日続き、100トン・120トンといった大獲れの日もみられたものの、今年は1日1〜55トンと総じて低調である。魚体は下旬前半は150〜200kg級の加入もあり平均体重は60〜70kgにアップし、下旬後半は300kgを越えるものも加入したことから平均体重は150〜160kgにさらにアップした。相場は下旬前半はキロあたり高値で3千円台・平均で2千500円前後であったが、月末には水揚げが続いたことから高値で2千200〜2千400円・平均で1千700〜2千円に下げた。

 境港における6月中のクロマグロの水揚げでは、水揚隻数は昨年の42隻に対して11隻、水揚数量は昨年の1,517トンに対して256トンと昨年の2割弱。水揚金額も昨年の21億2千万円に対して4億5千万円と昨年の2割強と、過去最高であった昨年の6〜8月の水揚金額30億3千万円の実に3分の2をこの6月だけで稼いだ。

 東京築地市場の日本海のまき網クロマグロの入荷状況は、6月10日の654本をピークに11日は377本、13日は3本のみ。その後漁がないことから入荷も切れ、22日に37本、23日に10本、25日に166本とまとまったものの、その後は数本〜数十本と再び減った。相場は10〜11日は魚体が30kg台と小さかったことからキロ1400円台、入荷が再開した22日は魚体が60〜70kg級とアップしたことから高値で6千500円を付け、平均で3千500円。その後、平均2千200〜2千800円で推移。なお、クロマグロ幼魚のヨコワ(メジ)は九州五島沖で漁があったほか、6月下旬には島根沖や対馬東沖でも漁が本格化した。佐渡や日本海北部〜三陸の定置網でも依然コンスタントな入網が続いており、築地でも連日2千〜6千ケースが入荷している。三陸の15〜20kg級の大メジではキロ2千〜1千500円だが、山陰・九州物のの3〜4kg級ではキロ600〜400円とカツオ並みかそれ以下の相場が続いており、量販店でも1サク400〜700円程度で販売されている。今年の漁獲状況をみると、まき網クロマグロは低、ヨコワ・メジは高といったところか。

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