このほど財務省から3月の通関統計が発表された。これによると、輸入量自体が約2千トンと昨年の半分に減少している。中でも西アフリカ物(モーリタニア物主体)の搬入も少なく、ベトナムや中国産が目立っている。
モロッコ現地では漁の切り上げもあって、最終航海の船の入港がみられるが、1隻当たり10トン以下の持ち帰りで、しかもサイズが殆どが6番主体で、7番・8番は極めて少ない組成となっている模様だ。現地ではこのまま5〜6月の休漁期間に入り、次は7月からの操業となる。したがって現在の在庫アソートも6番主体で小型は少なく、あったとしても高値の大型サイズで、今後の原料市況はかなりきびしくなる可能性も出てきている。
また、加工業者の中でもモーリタニア物がモロッコ物より極端に下げた影響もあって、格差が出てきているといわれている。今後の6番以下のサイズは、もう下げはないのではないか、との見方も強い。ただ、末端で100円台後半での特売が定着しており、こうした原料事情が末端にどのような影響が出るかどうかの兼ね合いもあって、加工業者と末端販売での綱引きは続きそうである。