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最近の水産の話題はこれ! 随時更新
vol.676

スルメと鰹は解凍物が主役

 関東地方ではお花見シーズンも終わり、ここ1週間でだいぶ暖かくなってきました。今の時期は生鮮スルメイカは漁の端境期にあたることから、一年を通じて一番水揚げが少ない時期です。冬〜初春の主漁場は産卵の為に来遊する山陰〜九州北部と狭まります。築地市場でもここ1週間で入荷が急激に減り、月夜間も重なったことから4月10日以降は1千箱以下となっています。特に11日は90箱しかなかったことから長崎県産で1箱8500〜8000円に高騰しました。安い時期だと1箱2千円(キロ400円)以下なので、いかに高いかおわかりになると思います。

 このため、都内Aスーパーでは先週は長崎産の生鮮スルメイカ(20尾サイズ)が1杯498円で販売していましたが、今週は生鮮物がない・高いということから青森県産の船凍品を解凍したスルメイカの販売し、1杯208円で2杯500円という価格帯でした。電鉄系のBスーパー(川崎)では同じ解凍スルメイカでも1杯498円という首を傾げたくなる値段を付けていましたが、行った時間が50%の値引き販売中で250円なら妥当かなと感じます。都内Cスーパーでは長崎産の生鮮スルメイカ(25尾サイズ)が1杯398円で売っていたほか、富山県産の定置網物が4杯1パックで198円で売っていました。築地のセリ値では富山県産はキロ600円と長崎県産の半値ですが、産まれて5〜6ヶ月のまだ小さいイカで、20尾サイズが1杯250〜300gとするとその1/4〜1/5といったところでしょうか。この店舗では青森県産の船凍スルメイカも売っており、2杯398円でした。以前に比べると船凍品の売価もじわじわ上がってきたように感じます。都内Dスーパーでも富山県産の小さいイカが売られており、こちらでは6杯1パック498円でした。今の時点で売り安いのは秋刀魚でお馴染みの「解凍品」&小さくて安い富山県産等の「定置網物」のようです。ちなみに連休近くなると昨年秋に産まれたイカの北上が本格化して、北陸で小型いか釣り船の漁獲が始まり、まだ小さいものの入荷増が見込まれます。

 一方、生鮮カツオは漁が不調で、近海一本釣り船の漁場が例年よりも西寄りで、築地の入荷も今のところ千葉の勝浦よりも宮崎の方が多そうです。水揚げが少ないことから生鮮物はまだ相場が高く売りづらいことから、スルメイカ同様、タタキやトロガツオ等の解凍品の販売が目立ちます。都内Cスーパーでは宮崎産(原魚は3kg級)が1/4尾(300g位)で680円、千葉県産(原魚は2kg級)が1/4尾(200g位)で580円といったところ。都内Dスーパーでは千葉県産(原魚は2kg級)が1/4尾(200g位)で498円。静岡県産の解凍物のタタキは1/8尾で100gあたり198円、同トロガツオは238円。タタキもトロガツオも8切れ入りのお造りだとともに1パック398円、タタキ・トロガツオミックスが1パック500円とやはり、解凍品がメインの販売でした。カツオも連休近くになると房総近海にやってくると思うので、生鮮物はもうしばらく辛抱という感じです。

 ちなみに先週から三重県の定置でブリがまとまっていることから、厚切り1切れ150円程度で売っている店もありますので、今の目玉商品といったところでしょうか。

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