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vol.673

銀鱗会:勝浦産生まぐろの勉強会2

 銀鱗魚勉強会『紀州勝浦港生まぐろ』の勝浦魚商協同組合大井専務の講演「紀州勝浦の生マグロの魅力について」の概要は以下のとおり。

 勝浦魚商協同組合は仲卸業者の組合。紀州勝浦港に入港するのは三陸東沖でメバチ操業する船もあるが、1〜6月は紀伊半島沖〜沖縄周辺域で操業する19トン型の小型延縄船が中心。59トン以上の近海延縄船は赤道に近い北緯10度まで下がり、キハダ主体の漁獲で周年操業(航海日数30日)。延縄で獲った魚はビンチョウ漁で200mまで釣り針を落とすが、メバチ漁だとその下。まき網漁・釣り・定置網漁は浅い魚を獲っているのに対して、延縄漁は深いところにいる魚を獲っているので、水圧で身が絞められていることも影響し、色持ちが良く、肉の目が詰まっている。

 紀伊勝浦港の最近の水揚げは1日70トンあるが、ビンチョウが重量で3分の2(5千本)と大半を占め、赤身(バチ・キハダ)は3分の1(200本)と少ない。延縄漁は100kmの幹縄に2〜3千本の釣り針を付ける。一番大事なのは活きた状態でマグロが船に揚がることで、その後の船での鮮度処理、扱いが丁寧かも品質に大きく影響する。投縄を除き、揚縄だけでも10時間かかるので、最初にかかったものと、最後にかかったものでは時間差・個体差が生じる。針にかかった時の暴れた時の急な運動や死ぬ時に体温が上昇して「身ヤケ」するし、色持ちしない。マグロは一本一本価値が違うので、難しい魚。仲卸は美味しく良いマグロを買いたいと思っており、入札の時は仲買人の間の駆け引きも大事。マグロは腹の部分が命で、大事にしている。「鮮度が一番」と仲卸の目利きのポイントを熱く語った。

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