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vol.671

富山湾ホタルイカ漁解禁 豊漁予想

 瀬戸内海のイカナゴしんこや駿河湾の桜海老とともに、春を告げる魚介類として知られるのが富山湾のホタルイカで、ホタルイカ定置網(春網)漁はさる3月1日に解禁になりました。ホタルイカの寿命は他のイカ類同様に一年で、富山湾で漁獲されるのは産卵の為に来遊するメスだけです。富山市常願寺側右岸〜魚津市沖のホタルイカが群雄する海面は国の特別天然記念物に指定されています。ちなみにホタルイカが特別天然記念物という訳ではありません。


 富山県の水産研究所が発表したホタルイカの漁況予報によると、「平年(平成11年〜20年の平均漁獲量1,891トン)並みか、1,900〜2,400トン程度と予測されるが、2千トンを上回る可能性が高い」とのことで今年は豊漁のようです。予報の根拠としては、一つ目が「1953〜2008年の間で2月の漁獲量が1トン以上だった年が20回あり、その中で総漁獲量が2千トン以上だった年は14回(70%)あり、今年の2月の漁獲量は7.3トンなので総漁獲量が2千トンを上回る可能性が高い」ということ。二つ目が「富山湾の岩瀬沖で2月下旬に実施したトロール網による採集調査では1曳網平均9.33個体で、その年の関係式から1,863トンと計算される」ということ。三つ目が「5月の山陰沖の水温と翌年の富山湾の漁獲量にはよく似た変動パターンが認められ、その関係式から2,393トンと計算される」ということだそうで、この3つを組み合わせて予報を出しています。


 1,900トンが平均的な年間漁獲量だとすると平成15年と平成17年が各3,300トン台と大豊漁で、平成13年は720トン・平成18年は582トンと大不漁でした。平成19年は1,292トンとやや不漁気味でしたが、平成20年は平均漁獲量を3割上回る2,492トンと豊漁でした。今年も昨年並みに獲れるのでしょうか。
なお、ホタルイカは富山湾の定置網漁のほか、山陰の浜坂港等では底曳網で漁獲されており、浜坂港一港だけで年間600〜1千トンもの漁獲があります。2月下旬のデパ地下の鮮魚店では山陰の底曳網のボイル品が20尾1パック480〜580円だったのに対して、新物の富山湾の定置網のボイル品は10尾1パック680円と漁期前のハシリということもあり、倍近い価格差がありました。浜値はまだ水揚げが少ないのでキロ3,500〜2,600円と高いのですが、3月下旬〜4月下旬が富山湾のホタルイカ定置網漁の盛漁期で、この時期になると漁獲も増えてキロ1,000円以下となって富山湾の定置網物も買いやすい価格帯になると思います。

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