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最近の水産の話題はこれ! 随時更新
vol.662

今年の水産業界重大ニュース2

[高木委員会〜規制改革会議]
 2007年の2月と7月、民間のシンクタンク、(社)日本経済調査協議会の水産業改革?木委員会の提言『魚食をまもる水産業の戦略的な抜本改革を急げ』を公表してから、業界内を二分する議論を巻き起こした。高木委員会の提言は内閣府の規制改革会議に答申し、水産庁の設置した『TAC制度等の検討に係る有識者懇談会』で議論された後、水産庁は先頃、内閣府の規制改革会議に結果を報告された。今年はこの話題で業界内持ちきりだったと言っても良い。

 同提言は水産物を国民共有の財産ととらえ、また漁業構造が硬直化(漁業者の減少etc)していることから新規参入促進など漁業界の構造改革を訴えた。前者は大方納得できるものの、後者に関しては構造改革派はITQ(譲渡可能性個別割当)やIQ(個別割当)の導入を強く主張し、零細〜中小漁業者を排除して大手水産会社の寡占化が進みやすい。

 マルハ・ニチロ・日水といった大手水産会社は、1977年の200海里体制導入以降に行き場を無くし漁業から一度撤退した。その後、日本漁業の基幹をなした沖合漁業も日本近海の資源減少とともに縮小。遠洋・沖合漁業は駄目になり結果として沿岸漁業だけが残った。マグロの資源管理の厳粛化とともにマグロの蓄養事業が商売として成り立つと判り、大手水産会社は沿岸漁業に戻った。沿岸漁協に区画漁業権の行使料を払い、お金になりそうなマグロ等の蓄養(養殖)事業だけを行ないたいのかもしれない。
 今年、マグロ蓄養事業に日本を代表する水産会社が名乗りを上げた。今後はクロマグロの養殖種苗のいかに確保できるかが問題かもしれない。しかし、国際的な規制も今後ますます強化されるはずだから余計採算に合わなくなるかもsいれいない。水産庁はITQやIQは現行で既に実施している漁業を除き、日本の漁業体型には現状では導入は早すぎると判断した。来年も尾を引きそうだ。

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