為替ショックも醒めやらぬうちに師走を迎え、年末商戦の最後の追い込みの時期に入っている。年間を通じて最大の需要期を迎えたマグロ類は、例年だと大晦日に向けて相場を上げるが、今年は赤身・脂身ともに12月に入って『価格の下落』が加速している。最大の要因は「7月までの市況の上昇の反動」と、「国内外の消費が不況感もあって一層低迷していること」や、「メキシコ産養殖クロマグロの大量搬入が続いていること」も、『価格の下落』に一層拍車を掛けているようだ。メキシコ養殖物などは全てが日本に向いているといわれ、資金繰り等の関係もあって換金売り状況になっており、この状況は年明け後の3月頃まで続きそうだ。
現在、東京築地市場の大バチ(冷凍物)の上場本数が1日1600本前後の日が多く、昨年の2000本前後に比べると少ないにも拘わらず、この時期になって中旬頃から市況は急落している(おさかなひろばの消費地情報市場別2ヶ月参照)。ただ、残りの2週間で、多少戻すことも予想されるが、盛り上がりには欠けた年末商戦になりそうだ。しかも必ずしも大型延縄船の沖漁(西経、インド洋、大西洋)が良いわけではないが、台湾船や中国船が燃油価格の急落の中で操業に着手しているといったこともあって、年明け後も余談を許さない状況が続きそうである。